『ベルセルク』4巻(三浦建太郎)の感想
漫画『ベルセルク』4巻(三浦建太郎・白泉社)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。
4巻は、「黄金時代」(2)~(6)まで収録されています。
あらすじとしては、やはり、推定9歳のガッツが、ドノバンにかなうはずがありませんでした(子どもの虐待シーンですから、非常に痛々しいです)。早速、ガッツは敗残兵掃討戦の最中に、ドノバンに意趣返しをしますが、ガンビーノは左足を失います。リーダー降格となったガンビーノは憎悪をためこみ、2年後、ガッツ(11歳?)を殺そうとするものの、ガッツが身を守ろうとして反射的に差し出した大剣に、のどを貫かれて絶命。ガッツは裏切り者として、その傭兵団からねらわれ、命からがら、逃れます。
4年後(ガッツ15歳?)、傭兵団を渡り歩く、凄腕となっていたガッツは、ある戦いで30人斬りのバズーソを見事に倒します。その現場を見つめていたのが、鷹の団という新進気鋭の傭兵団。その中のコルカスと部下から襲撃されますが、ガッツはあっさり返り討ち。次に、女傭兵キャスカが加勢するものの、ガッツは彼女を追い詰めたところで、リーダーのグリフィスが登場し、初の敗北を味わいます。負傷したガッツは止めを刺されるどころか、手厚く看病されるのでした。若者が多くを占める鷹の団では、何かと楯突くけれども小心者のコルカス、黒い瞳で少年のような出で立ちながら、ガッツに激しく反発するキャスカ、ひょうひょうとした雰囲気の少年、ジュドー、ガッツにあこがれる少年、リッケルト(たぶん一番かわいい)、無口な怪力男、ピピンといった面々に、ガッツは見入るのですが、グリフィスは別格。憂き世離れした美貌の持ち主で、そんな彼が、「おまえが欲しいんだ ガッツ」と言いだします。ガッツは呆気に取られるものの、決闘を申し込み、グリフィスも承諾。最初は普通に剣で闘っていましたが、最後はなぐり合いのケンカに。それでも、グリフィスが勝利し、「これで おまえはオレのものだ」と、満足げに告げるのでした。やがて、傷の癒えたガッツは、鷹の団の一員として、奇襲戦に参加。しかも、グリフィスからもっとも重責のある、殿(しんがり)を任されます。さて、どうなる?
ガッツとグリフィスの戦いが、一番の見どころです。クールで天使のような面持ちのグリフィスが、ガッツの激しい拒絶の言葉を返されて、がっかりした表情になったり、思いがけない反攻に対して、驚きや恐怖どころか、うれしそうであったりと、猛烈な執着を見せ・・・・要するに、グリフィスは腐女子仕様というか、ホモ臭い! そういうものが苦手な方は、ひたすら、ガッツの剣撃、城攻めの模様などを見ていかれるといいでしょう。ファンタジーとはいえ、中世のお話を臨場感たっぷりに描いているのは、脱帽としか言えませんね。
ところで、ガッツの過去物語たる、「黄金時代篇」では、パックは登場しません。裏表紙のみです。今後のギャグ担当は、鷹の団の面々がやってくれます。グリフィスの崇拝者、キャスカは、グリフィスがガッツを特別扱いするのが気に入りません。よって、キャスカとガッツは今のところ、いがみ合ってばかりいますが、これも三角関係ですよね? 三角関係フェチの私としては、とてもわくわくします。グリフィス、キャスカ、ガッツの三人の関係が、微妙に変化、成長していくのが、『ベルセルク』のもう一つのテーマだと、私は思っております。わずか4巻ですけれども、5巻以降も盛り上がっていきますから、お楽しみに。それでは。
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