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2012年3月17日 (土)

映画『茜色の約束』の感想

 映画『茜色の約束』の感想を申します。出演者・ストーリーに関しては、次のサイトがくわしいです。
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 地元に大型ショッピングセンターができ、さらに、何十年ぶりかで映画館まで誕生した! とあって、楽しみにしていながら、実際に上映できたのは、二週間以上前です。前売り券を席券? に交換するのは、手間だと思いましたが、これからは、ちょいちょいと利用するかもしれません。何と言っても、水曜レディース割引き1,000円はありがたい!

 さて、この『茜色の約束』ですが、良作なのか、「がんばりましょう」印をつけるべきか。超お勧めなのか、ファンの方限定なのか、実に判断のつきかねる、映画です。けなしているようですが、これぞ、わが郷土の不思議な魅力とも考えるのですな。
 なぜなら、『茜色の約束』には、私達が上映されている映画に求めている、「上映料金に見合ったお得感」があまりないからです。やはり、映画を見に来たからには、轟音とともに画面を覆う爆発シーン、大きな乗り物同士がぶつかり合う迫力、とてもお茶の間で魅せられない凄惨な演出、大物俳優もしくは女優のヌードや濡れ場など、そういうものを求めるものでしょう? ところが、『茜色の約束』には、ドンパチもグワッチャーンも、「あふん」もない。子どもにも安心して見せられるけれども、上映料金分の満足感が得られるでしょうかと、私は疑問に思います。
 実際、私は冒頭の10数分、眠っていましたからね。物語のキーとなる、謎の金魚、その金魚が大和郡山に起こす奇跡についても、すごいCG効果でも予想外の展開でもないし、ちまいともいえます。神秘の禁則地、大昔の恋人同士のロマンチックな伝説を金魚と結びつけるには、大和郡山での金魚養殖の歴史自体が浅いし、さらに、ブラジルサンバとどんな関係があるの? と、ツッコミどころは旺盛です。
 大和郡山の有名どころ、場所、イベント(金魚のテーマパークは除いて)は、やはり、「ああ、これは○○だな」と、わかり、同伴者や家族がいれば、「△△って、あったね」「画面で見ると、もっときれいだったね」と、言い合えて楽しいでしょう。ただ、やはり、地元民としては、○○や△△が簡単に判明しすぎて、拍子抜けします。そして、○○が登場したのに、何何はないのは、なぜか? ここまで、大和郡山が重要なバックグラウンドならば、いっそうディープに、地元民も驚き桃の木、なほどの歴史、超高級金魚、あの老舗が出てもよさそうなのに、全体的に歯がゆさを感じてしまいました。
 しかしながら、私という地元民が、「いやぁ、ディープな地元礼賛、金魚万歳映画だった」と、満足するような出来だったら、まあ、『茜色の約束』はヒットしないであろうと、予想します。何じゃそりゃあ、と、苦情が出そうですが、一地方都市をどんなに好意的かつ詳細に描いたとしても、その魅力が伝わるかどうか、微妙なところです。
 と、いろいろ、批判的に申してしまいましたが、実はいいところも満載なのです。何と言っても、俳優女優さん達の演技がいい! 笑いっぱなしでなくても、ポイントをちゃんとつかんだ笑いです。特に、子役ちゃん達はうまい! 浴衣を着ただけでも映える女の子なんて、なかなかいないでしょう。主人公の、ぽっちゃりしたブラジル少年役の男の子が、無心に食べるコロッケが本当においしそうで、今も私は、あの駅前のコロッケを買い食いしております。
 地元では、田んぼの中に金魚の養殖池があり、緑色に濁った水の中を赤い金魚が泳いでいるのですが、それはとても珍しく、華やかな光景であること。さらに、田畑などに、大きな木と祠がある情景、子どもが軽やかに、あるいは沈んだようにと、豊かな自然に包まれた中で歩んでいる様子は、古きよき日本を見ているようで・・・・いや、これは地元の見慣れた一場面なのだな! と、再認識させられ、目からウロコが落ちた気分でした。
 そういうわけで、私は『茜色の約束』が、地元民ゆえに、客観的に判断できません。それでも、金魚好き、美しい情景好き、子どもの活躍するお話好きな方にお勧めの、ハートウォーミングなロマンチックストーリーだといえるでしょう。子役達の将来が楽しみです。それでは。
  
 

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