2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第十三話の感想(修正版)
2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第十三話の感想を申します。あらすじ、出演者に関しては、公式サイトをごらんになってください。
↓ ↓ ↓
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/index.html
延暦寺僧兵の強訴に対して、源氏側はたじろいだのに比べ、清盛は神輿に矢を放ちました。神仏に矢を射ることは、それまでの大きな権威への反抗、辛うじて保たれていた権力の平衡関係を揺るがすことでもあったわけです。
朝廷でも、忠盛と清盛の父子に流罪を求める藤原家と、それを取り成そうとする信西で、意見が分かれ、鳥羽院は直接、清盛に、矢を射た真意を問いただしますが、清盛、「わざとにございます」と、正直に告白。愕然とした鳥羽院ですが、自分を射てみよ、と命じます。清盛は従い、忠実に再現したところ、鳥羽院は涙を流し、直後に狂ったように笑って、罪を許します。その脳裏には、祖父である白河法皇と、愛していた待賢門院との禁断の関係、清盛と自分の血がつながっていること、などがあったのでした。この一連の鳥羽院の演技、表情は見ものです。三上博史さん、偉い! 鳥羽院は自分を射させて、亡き白河法皇の血を否定しようとしたのですが、うまくいくのでしょうかね。そして、回想とはいえ(しかも一瞬でしたが)、待賢門院を寵愛する、白河法皇のシーンはエロくてよろしかった! 天下のNHK大河ドラマに、エロいなんて言っていいのかねえ、私。と、一応、自主ツッコミをしてみます。
清盛の生母が、白河法皇に一矢むくいんとして、逆に矢を射かけられて絶命する、忠盛の回想もよかったですね。たけだけしかった亡き母と、そんな母を今なお、なつかしむ父に、清盛はどんな感情を抱いたでしょうか。これはもう、平家一族にこだわるなという方が無理でしょう。父の恋慕に苛立ち、母の傷心に同情する、清盛の弟、家盛は清盛を批難して、自分が嫡男になると宣言。
何かもう、BL要素は少なめながらも、今回は、お昼の奥様劇場の雰囲気が濃厚でした。回想ながらも、白河法皇の、堂々たる威厳とともに、孫のお嫁さんと関係してしまう、とんでもない暴走ぶりがスゴイ。初期のこのドラマが見られなかったのが、悔やまれます。コメディアンの印象が強い伊東四朗さんですが、この人の演技もお見事!
白河法皇、鳥羽院に、先日の佐藤義清こと西行と、登場人物に、僧の姿の人物が少なくありませんが(しかも、重要な役割をしています)、出家すること、僧形になることは、当時の社会にどのような影響を与え、どう見なされていたのでしょうね。朝廷側にとっては、威厳を高めるための、単なる演出のようにも思えますが、またその辺も勉強しておきたいです。それでは、第十四回も楽しみです。
(追記)天里友香様のコメントのご指摘どおり、白川法皇→白河法皇に訂正いたしました。申しわけありませんでした。(2012年4月2日22時40分)
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 残念ながら、『半沢直樹』、視聴断念!(2013.09.09)
- 『biohazard DAMNATION(バイオハザード ダムネーション)』の感想(2012.11.05)
- ごめんなさい・・・・(2012.11.03)
- DAMNATION、観賞してきました!(2012.11.02)
- 2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第二十三回の感想(2012.06.14)
コメント
毎度お邪魔します。
お勧めしたものとしては
お楽しみ頂いてるようでなによりですが、ちょっとフォローを。
伏せ字でわざと…でなければ、『白河法皇』の『かわ』は『河』です。
(もう少し先で雅仁親王が即位されてからの諱『後白河』も同じく)
あと、白河法皇と鳥羽法皇の関係は親子でなく祖父(白河)と孫(鳥羽)です。
(ちなみに鳥羽の父の堀河天皇が早世され
幼帝が続いたのも白河法皇の院政が長期になった一因)
俳優さん方の熱演、怪演は言わずもがなですので、
別方面としてBLな話なぞ(オイ!!)
本編の、清盛が流罪にされるかもな時に義朝が言った
「清盛を流罪になぞされてたまるか…
こんなことで俺の前から消えられてたまるか!」ってセリフ、
普通でも正統派ライバルらしいけど、
腐女子的にもかなり萌えな感じでした!!(笑)
しかし、次回予告で「ついに!」
弟の家盛が、頼長の毒牙にかかって後ろから抱きつかれてるシーンが!!
史実でもガチでバイな頼長ですが、
本当にその描写が、しかも大河ドラマで流れるとは『挑戦的』だなぁ!!と思います。
…他にも色々『挑戦的』過ぎて視聴率が低いらしいのは、
楽しんでいる者としては残念ですが!!
投稿: 天里友香 | 2012年4月 2日 (月) 12時47分
いらっしゃいませ。コメント、ありがとうございました。
ご指摘のとおり、白河法皇の名前と、彼らの関係について修正させていただきましたよ。
日本史オンチは仕方なくとも、間違ったままでいてはいけませんね。
本当に、今、必死でやっているアレをすませたら、この大河ドラマはもちろんのこと、平安末期や源平の戦いについて勉強しなければ!
次回予告でさえ、すごいシーンがあったのですね。
そういうBLなことでいいのですか!(うれしい悲鳴)
そりゃあ、ロングキャリアの正統派NHK大河ドラマファンから、批判されるでしょう。
製作スタッフ、チャレンジャー過ぎます。
でも、考えようによっては、BL系の創作物全般は世間からドン引きされるでしょうが。
「今から、NHK大河を見るから」「NHK大河で日本史の勉強をするの」
と、ごまかしてしまえるからいいかもしれませんね。
重要場面を見逃しているのですから、私はまだ腐女子濃度が足りませんなあ。
こんなヘタレな感想でよければ、またツッコミに来てやってください。
投稿: 紅林真緒 | 2012年4月 2日 (月) 22時51分