2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第十九話の感想
2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第十九話の感想を申します。あらすじ、出演者に関しては、公式サイトをごらんになってください。
↓ ↓ ↓
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/index.html
源氏側に、とんでもない悲劇が。源義朝の子、義平が、義朝の弟、義賢を討ち取って、棟梁の証の太刀を奪い取ります。要するに、甥が叔父を殺害したわけです。義朝と、父の為義の決裂し、近いうちの激突は避けられそうにない? だから、身内間で相争わせるのは悲劇だと、私は思ったのですけどね。兄弟肉親間の争いって、いやですなあ。
平家側は、時子の妹、滋子登場。一同の男どもは、その美貌をほめそやしますが、私にはまだその魅力がよくわかりません。若くて気丈で、怖いもの知らずの美女だとは思いますが。ここで、時子はまたしても、源氏物語を引き合いにだして、滋子と光源氏のような貴公子との恋を夢見ているかのように言うのですが、結婚していて子供もいて、しかも棟梁の妻だというのに、時子、いい加減に夢見る夢子から成長してくださいよ。せめて、清盛のいないところで言ってくれれば、ましだったのでしょうけど。
そして、朝廷側は、鳥羽法皇、早速、後白河天皇を選んだことを後悔したばかりか、彼に憎い白河院の面影を重ねてしまって取り乱し、挙句に病で臥せってしまいました。うーん、気持ちはわかりますが、ちょいと繊弱過ぎはしませんか? 白河院はとっくに亡くなっていますし、血がつながっているのだから、似ていて当然でしょう。鳥羽法皇は、堅実な小グループのトップには最適だと思いますが、海千山千の怪物だらけの朝廷を仕切るには、あまり向いていなかったのでしょう。
さらに、藤原頼長に呪詛を行なった疑いがかけられます。必然的に結びつく、頼長と崇徳上皇。逆に権威を増す、信西。「天下大乱が望みである」って、坊さんが戦争を望んでいいのか、アンタ・・・・と、ツッコミかけましたが、そうか! この時代、自分の権威付けのために僧侶になるのであって、仏教の教えは二の次、三の次なのでしょう。わかっていますが、嘆かわしいです。信西も興味が湧きましたので、また調べておきましょうっと。
いよいよ、仲良し家族、強く結ばれた一族の棟梁である清盛は、互いを批難中傷し合い、歩み寄ろうとしない朝廷側に嫌気が差した様子。否応なく、朝廷と藤原家の激突に巻きこまれていくのでしょうが、本当にどうなるのやら。もっと、清盛の胆力が見たいです。それでは。
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コメント
こんにちは。
源氏は、もうDNAに同族争いが組み込まれてるのか?って感じですね。
考えれば、後に頼朝やその子供以下の世代も
兄弟、同族で殺しあって滅亡するし。
源氏の親戚筋の足利氏も、幕府初代将軍の尊氏から直義暗殺説があるし、
その後も何度か同族殺しが起きてるし。
平滋子は、歴史の上では『後白河帝と平家の蜜月を作った』女性で、
史実でもかなりの変人らしい後白河帝の寵愛を受けてる辺り、
かなり個性的かつ頭もいい女性だったのではと。
(描写は、今後のお楽しみ?!)
しかし、姉の時子は相変わらず夢見がちに見えるのは同意です。
清盛が政治的に難しい立場でシリアスにしてて、
疲れてる時に明るく天然な妻にホッとする…とかならともかく、
今のこのドラマだと清盛も色々甘く見えてるので
「平家はもう少し、どちらかでもシャンとして欲しいな」
…池禅尼がその辺りを背負ってるのかもですが。
ところで、5月23日(水)の『歴史秘話ヒストリア』で
藤原頼長の回の再放送があるようですよ。
(ドラマ部分のキャストは大河とは違いますが…。
歌舞伎の女形の方らしいです。)
投稿: 天里友香 | 2012年5月18日 (金) 12時52分
コメント、ありがとうございました。
5月23日放送の、歴史秘話ヒストリアで、藤原頼長の回があるのですね。
忘れないように、ダンナに頼んで録画してもらおうっと。メモメモ(←メカオンチ)。
そうですか、源氏は血の気が多い、どころか、流血沙汰が多すぎるのですか。
橋本さとしさんが演じる、源氏の武将はどう描かれるのか、非常に楽しみです。
ところで、源氏と平家のみならず、古今東西、政治的手腕と芸術は、両立させにくい能力なのでしょうか。
暴君なのに、あるいは政治能力がないのに、芸術に理解が深かったり、歌詠みがうまかったりしますよね。
確か、平家には笛を吹くのがうまい武将がいたはず。
源氏には、アーティストはいない?
本当、対照的な一族同士です。
投稿: 紅林真緒 | 2012年5月19日 (土) 01時38分
源氏のアーティスト系と言えば、頼朝の息子で鎌倉3代将軍の実朝ですね。
(和歌が上手い…でも、政治的に手腕があったか、とは?)
あと『以仁王の乱』の源頼政も和歌が上手いのが有名です。
平家は貴族化したこともあって
一門全体で楽器、和歌、舞のレベルが高かったようです。
(法要で一門が楽器セッションした記述もあり。)
『笛』と言えば、ドラマで「崇徳院の歌会に出たい」と言ってた経盛の息子の敦盛ですが、
経盛系は芸術に才能があったらしく敦盛の兄の経正も琵琶の名手。
和歌は清盛の弟の忠度はじめ密かに勅撰集に載ってる者が数々。
舞は「維盛の舞を、政敵の九条兼実すら『美しい』と誉めている」ほどです。
正直、源氏の中で頼朝だけが朝廷と渡り合えた一因には
「母の身分が高く、貴族的な作法や教養が身についていたので
貴族から馬鹿にされなかった」のもある様で。
その意味では義朝の『嫡男を生んで欲しい』は
本当にそのとおりだったと言えそうです。
投稿: 天里友香 | 2012年5月19日 (土) 11時15分
再度のコメント、ありがとうございました。
ちょいと、右手の筋を痛めてしまい、お答えが遅れてすみません。
平家のアーティスト濃度はかなり高そうですが、早く貴族化というか、貴族と同化してしまったのが、後の一族滅亡の原因の一つになったのかもしれませんね。
今、私が読んでいる、『闇の検証』第二巻(朝日新聞出版)では、霊能者の寺尾玲子さんが源平の合戦の史跡を訪れ、当事者達を霊視するという内容なのですが、なかなかおもしろくてお勧めです。
それにしても、清盛にせよ義朝にせよ、朝廷から軽んじられまい、武士の地位を上げようと、彼らなりに必死だったのですね。
武士だって、いくらでも悪いやつはいるでしょうが、家格、血縁によって、権勢をふるう、当時の朝廷や藤原摂関家はさらに悪辣に違いありません。怖い、怖い。
投稿: 紅林真緒 | 2012年5月21日 (月) 23時46分