2012年NHK大河ドラマ『平清盛』第二十三回の感想
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さて、今回は何と申してよいやら。源氏側、義朝の葛藤と苦悩は納得できました。が、平家側の清盛のそれは、やや首をひねってしまったのです。ひねくれ者ですね、私。
なぜなら、「はなっから、おまえを棟梁などと思うておらぬ」と、言い捨てていた、叔父ですよ? 私は確認しませんでしたけれども、そんな叔父、忠正だったら、清盛が幼い頃、弟達との扱いに、はなはだしい優劣をつけられ、清盛は冷遇されていたのでは? ここは多少の迷いがあっても、「一門のためならば、叔父を斬るのもやむを得ず」と、心を鬼にして決め、斬った後に、亡き父の期待にそむいたと、激しく後悔する・・・・みたいな流れだったら、感動できたでしょうね。「清盛は、何でこんな叔父に優しくなれるの?」と、私は頭の中でわからんわからんと繰り返し、平家側のドラマには気分的にノレませんでした。
もちろん、源氏側には純粋に痛ましさを感じましたね。さりげなかったのですが、義朝の息子、鬼武者が、母の由良に命じられて、斬首を見届け、さらには父へ、元服を願い出て、「頼朝」と名乗るようになる一連の展開はよかったです。かわいい子役ちゃんですが、ずっと、老成したような沈着さがあり、母達の女の争いや、父と祖父の衝突、祖父の斬首をそばで見続けるうちに、用心深くて猜疑心の強い性格になり、「敗北、すなわち死」であると、骨身にしみて感じ入り、「絶対に強くならなければ」→元服と、自らの運命を決定したのでしょう。
それにしても、後白河天皇は処刑の報告を受けた後、勝利の宴に清盛を招待するのですが、心に深い痛手を負った清盛は、放心したようになっていました。たぶん、源氏平家双方に、敗北した方の身内を斬るように命令したのは、後白河天皇なのでしょうね。本来、終戦処理は、乱の首謀者であると同時に家格も高い、天皇家や藤原摂関家が行なってよさそうなものです。それを、北面の武士にもやらせず、源氏平家、それぞれの棟梁に斬首を命じたということは・・・・。そして、清盛が沈んでいるのは、誰だってわかるでしょうに、わざわざ、宴に呼んだ理由は・・・・。後白河天皇は、ただ、清盛の苦しみを見届けたかったのでは? うー、最低ですね。清盛、義朝、どちらも次回からの奮起を期待したいです。それでは。
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コメント
こんばんは。
「忠正が、清盛を子供の頃から嫌って冷遇していた」は全くお察しのとおりなのですが、
それでも、彼は清盛が海賊に捕まって命が危なかった時に助けてくれたし、
宗盛誕生の時に「弟なら、時子はもう継子の自分たち兄弟を子として愛してくれないかも?」と
心配する重盛を励ましたり(壊れた竹馬は、この時に重盛達に作ったもの)
『肝心な時には力を貸してくれる、頼れる一門の年長者』なのですよ、このドラマでは。
そもそも崇徳側についたのも『頼盛の身代わり』で、
既に本心では清盛を棟梁と認めていても
「敵対した以上は、これまでのとおり憎まれ役に徹して」
少しでも清盛の負担を減らそうとしてるように見えたし、
清盛もそれがわかってるから
「個人的な恨みよりも、棟梁として
そこまで一門を守ろうとしてくれるのがありがたく、斬るのが辛い。
でも、だからこそ他の者に斬らせて心の傷を深めるわけにはいかない。
それは血のつながらない棟梁の自分の役目」と思って心を鬼にしたのではと。
個人的にはむしろ頼盛や池禅尼の方が忠正より憎らしいんですが、これは更に長くなるので割愛。
しかし、源氏の方が素直に泣かされるのは分かります。
「平忠盛に先を越された時の二人の悲願と引き換えに、こんなことになるなんて!」
そして、かつての養父以上に屈辱的かつ口惜しく辛い貴族達の仕打ちに耐えた清盛は、
あそこで忠盛以上の棟梁になったのではと。
「けど、後白河帝だけはもしかしたら
本気で励ましてるつもりかもなのが、たち悪い…!!」
投稿: 天里友香 | 2012年6月15日 (金) 21時46分
それはそうと。
お仕事も大変でしょうし、手の具合も心配ですし、
夏祭りで披露する小柴垣草紙(笑)も作らねばならないでしょうから、
返信については、どうかお構いなく。
投稿: 天里友香 | 2012年6月15日 (金) 22時00分
コメント、ありがとうございました。
例によって、返信が遅いぞ! と自主叱責すべきところですが、どうにもこうにも、私は体調不良です。
仕事は辛うじて、休まずに続けていますけれども。
帰宅後のだるさと、非能率、ガタガタは半端ではありません。
たぶん、原因は冷えか風邪の初期かと思います。
そういうわけで、お言葉に甘えて、20日か21日頃まで、お休みさせていただきます。
無視してませんよ!
今夜の『平清盛』だって、視聴しましたよ!
投稿: 紅林真緒 | 2012年6月17日 (日) 23時21分
非常に遅れましたが、6月15日の長文コメント、ありがとうございました。
私は風邪? をこじらせることなく復活しましたが、別の身内のお通夜に参列してきましたよ。
まず、私はいろいろと間違ったように覚えていたようで、それに関しては、何度土下座しても足りませんね。
ごめんなさい、ごめんなさい!
しかしながら、ずぼら視聴者として、一言、弁解させていただきます。
製作側のNHKには、もう少し、わかりやすい見せ方をしてほしいです。
途中から見始めた人、日本史にくわしくない人(私は両条件を満たしていますが)には、ハードルが高すぎはしないでしょうか?
まして、歴史的事実や事件でなく、それらのバックグラウンド、人々の心情となると、もう難解そのもの。
でも、私の間違った考えを述べるわけにはいきませんから、予備知識用の資料を入手し読了するまで、しばらく、単純で短い感想にしようと思います。
投稿: 紅林真緒 | 2012年6月21日 (木) 23時54分