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2012年7月21日 (土)

『みうまん2 a will』(原作:仲村みう 漫画:田辺洋一郎)の感想

 四コマ漫画、『みうまん2 a will』(原作:仲村みう 漫画:田辺洋一郎 集英社)1巻の感想を申します。ネタバレがありますから、ご注意ください。

 これは2010年10月7日にレビューした、『みうまん〜“腐”っても仲村家』(原作:仲村みう 漫画:田辺洋一郎)1巻の続きであり、完結編でもあります。ギャグメインの四コマ漫画なのに、原作者の仲村みうちゃんのカラー写真、しかもヌード(帯カバーで微妙に隠してある、お尻がまたエロい)という、前代未聞の大胆な装丁で、加えて、原作者が芸能界を完全引退するなんて・・・・(絶句&頭が真っ白)。戸川純様といい、私が推す女性達は、どうしてこうもエキセントリックな言動をするのでしょう。いや、それはいいのです。去ってゆくのは、やはり寂しい。巻末に、その芸能界引退についての真相を語ったインタビューが載っているのですが(同じものが、先に週刊プレイボーイに掲載されていたと思います)、みうちゃんはウソをついていないと予想します。が、引退理由を知ったところで、納得できるものではありません。それがファンというものでしょう。けれども、芸能界引退がみうちゃんの切実な願いであるのならば、私は残念ながら、あきらめて受け入れるしかありません。
 本当に、戸川純様以来の個性的な美少女でした。上滑り、型どおりの美人でなく、日常を揺さぶるような、イメージ喚起力のあるタイプでした。きっと、アーティストの創作意欲を刺激するだろうなと、私はずっと思っていましたよ。さようなら、仲村みうちゃん。 

 さて、肝心の中味の方ですが、これもまた惜しいことに、笑えるという意味では、1巻よりテンションが下がっているように感じられました。単に、作中で、私の嫌いなダブル・パロディが頻出していたためかもしれませんけど。つまり、仲村みうちゃんの日常をおもしろおかしく漫画化しているはずなのに、彼女をあの作品やこの作品の登場人物になぞらえて、表現しているという手法なのです。じれったいというか、まどろっこしい感じでした。
 それでも、作中にちりばめられた、みうちゃんの白黒写真、巻頭カラー、インタビュー、写真集に添えられた彼女の文章など、ファンにはたまらない内容です。アイドルの仲村みうでなく、仲村みうという作品を堪能したような心持ちになれるでしょう。しばらく、ニヤニヤしながら読みふけっては、我に返り、私は、「ああ、でも、もう引退したんだ!」と、非情な現実に突き戻されるというわけで、天国と地獄を行き来する、ジェットコースター気分も味わえます(自暴自棄)。
 全エピソード中、特に傑出していたのは、P48~49の、上京したばかりのみうちゃんが、三人の友達と交換日記をしていたこと。楽しくて気立てのいい、その友達は全員、いないという衝撃の結末! そう! 名ばかりの友達が百人いるより、自分を大好きな自分と、かけがえのない家族こそが、必要なのですよね。わかっちゃいるけれども、仲村みうちゃんの引退は、ワタシ的に激痛(エンドレスですので、自主省略)。
 このように、エロくも胸が痛い、ギャグなのに切ないという四コマ、いや漫画作品も、いいとは断言できませんが、間違いなく深く印象に刻まれました。仲村みうちゃんの幸せをお祈りいたします。それでは。

(参照)『みうまん〜“腐”っても仲村家』(原作:仲村みう 漫画:田辺洋一郎)1巻の感想

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