『土竜の唄』29巻(高橋のぼる)の感想
漫画『土竜の唄』29巻(高橋のぼる・小学館)の感想を申します。ネタバレがありますので、ご注意ください。 28巻の感想をアップしたのが、去年の10月って、自分の要領の悪さに呆れてしまいますが、とにかく、続けていられるのは、とてもうれしいです。
あらすじとしては、轟周宝の妻、毬子、娘の迦蓮(カレン)がレストランで食事をしていたところに、ダニーと称する男を含む、仙骨竜メンバー(5人くらいか?)がやって来るところから始まります。ダニーは轟にダメージを与えるため、毬子と迦蓮の拉致をねらってきたのでした。もちろん、玲二、さらには蝉丸までもが果敢に戦いますが、集団戦法の格闘、火炎、大太刀(?)まで繰り出す彼らは非常に強い。蝉丸は重傷でリタイア、玲二も毬子までは奪還できたものの、迦蓮が大黒幕の、桜罵百治に誘拐され、車でいずこかへ運び去られてしまいます。
このままでは、轟に殺されかねない玲二は、潜入捜査官のコネをフル活用。赤桐一美の元に向かうや、警視庁のスーパーコンピュータにアクセスさせ、桜罵の向かった車の行き先を調べ、みはる埠頭の小麦粉倉庫と突き止めるや、玲二は急行します。
一方、轟の元には、仙骨竜と桜罵になぶりものにされる、痛々しい迦蓮の様子が画像として送りつけられていました。衣服を引き裂かれ、裸になって、天井から両手首を縛りつけられる迦蓮。桜罵は、轟に引退を要求し、受け入れなくば、迦蓮を輪姦すると、言い放ちます。桜罵に屈服したとなれば、数奇矢会の沽券にも関わる、重大事態ゆえ、四天王や部下は固唾をのんで、轟の返答を待ちます。少しの間の後、轟の出した答えは、迦蓮を見捨てて数奇矢会を選ぶ、とのこと。桜罵は逆上し、ついに、迦蓮は絶体絶命と思われた瞬間、玲二が乱入! 鉄パイプで桜罵にダメージを与えるものの、相手は6人と、ピンチは続きます。玲二の背広を羽織っただけで、お尻丸出し、半裸同然の迦蓮と、ままならぬ逃走を続けるうちに、フォークリフトを操作して、桜罵達を彼らの車もろとも、海へたたきこむことに成功し、形勢大逆転。無事に、迦蓮奪還完了・・・・でしょうか?
あらすじでこそ、さらっと書きましたが、29巻は迦蓮のいたぶられ場面が長いです。えげつないです。強気な美女が泣きわめいたり、失意のどん底に落ちたりする様子が好きなマニア様にはお勧めでしょうね。私はよく誤解されますけれども、拷問シーンが好きというわけではありません。か弱い人がいじめられるなんて、大嫌いです。だから、はっきり言って、読んでいて辛かったですね。
けれども、玲二は一服の清涼剤、いや、ギャグメーカーです。這い登る迦蓮の真後ろに来たところ、「レイジ、あそこね。」と言う彼女に、「アソコ!?」と、彼女の大切なところを見、鼻血を垂らしながら応じて、蹴りを入れられているのですから。機転が利いて、行動力もある正義漢なのですが、玲二よ、あんたはどこまでも「エロガッパ!」ですな。
それはそれとして、やはり、玲二の判断力、孤軍奮闘ぶりは一見、いや、再読、再々読以上の価値があります。かっこいいぞ、玲二! 一応、今回は珍しく、気持ちのいい終わり方をしましたが、次号予告を見る限りでは、このままでは絶対に収まりそうもないようです。例によって、思いがけない、新たなピンチが到来するのでしょうね。ワクワクします。
今回も残念ながら、「土竜のグルメ」はありません。30巻に期待しましょう。ずいぶん間があきましたが、大好きな漫画ですから、レビューし続けていくつもりです。それでは。
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