『biohazard DAMNATION(バイオハザード ダムネーション)』の感想
映画『biohazard DAMNATION(バイオハザード ダムネーション)』の感想を申します。ディープなネタバレに加えて、私はレオンファンのくせに、あまりゲームをしたことのない、とんでもないやつなので、記憶違い、勘違い等の言葉もあるかもしれません。その場合は、どうぞ許していただいた後、コメントでご指摘ください。
この3D対応のフルCG長編アニメーション映画のタイトルで、“damnation”とは、破滅、天罰、地獄落ちという意味だそうです。↑は、ゲームでおなじみ、主人公のレオン・S・ケネディ。映画館窓口で、もらいました。アメリカ大統領直属のエージェントです。他に、以前からレオンと関わっている、エイダ・ウォンが登場しますが、他の主要キャラクターは、ほぼオリジナルですね。タイラントさえ、なかなかすごいことになっていましたから。
簡単に、ラストまでのあらすじを説明いたしましょう。政府軍と反政府軍が争う東スラブ共和国に、レオンはB.O.W.(生物兵器)実戦投入の事実を確かめるべく派遣されてきました。単独で調査を強行するうちに、リッカー(一見、四つん這いの筋肉組織剥き出しの巨人。動き方はハエトリグモに似ていて、すさまじく敏捷。目も鼻も耳もない顔で、裂けた大口から、びっしり並んだ牙をむいて吠えたり、攻撃したりするのがキモい)に襲撃され、爆発まで起きます。目覚めたレオンは、反政府軍のアタマンをリーダーとする一味に捕らわれてしまいました。
このグループはアタマンの他、アメリカかぶれのJ.D、J.Dからバディと呼ばれている、がっちりした体格のサーシャがいましたが、政府軍に圧倒されており、起死回生の手段として、リッカーを使役する能力を得ようとしています。具体的には、寄生体プラーガを、リッカーとともに取りこむことで、自分を命令者に、リッカーを従属種にしてしまうというもの! サーシャはそれに賛成ですが、J.Dは反対しており、彼は自分の武器や防弾チョッキをすべてレオンに与えて、サーシャを制止してくれと、命懸けで頼みます。一方、エイダは国際組織からの指導という名目で入国、スベトラーナ・ベリコヴァ大統領(ブロンド美女)と面会し、調査開始。レオンはそんなエイダと偶然に出会って(?)、大統領官邸地下に潜入し、大量のプラーガ培養施設を発見します。休戦を提案する大統領こそ、B.O.W.の真の黒幕と察知したレオンとエイダですが、彼女率いる政府軍が、二人の抹殺に動きだします。ところが、突如として、数にまさる政府軍兵士に動揺が走るのでした。
リッカーの群れが、大統領府になだれこみ、凄惨な殺戮が始まります。目を異様な深紅にぎらつかせながら、リッカーをあやつる者こそ、あのサーシャ! 政府軍は総崩れとなるものの、大統領は無傷で脱出し、軍服のようなものを着たタイラントが、レオンとサーシャに襲いかかります。エイダの助力で地上まで逃れたものの、さすがのリッカーも、身長5メートル前後で怪力を誇り、通常の銃火器ではびくともしないタイラントに、次々と倒れていきます。レオンとサーシャはともに力を合わせ、辛くも一体を倒します。けれども、なお二体が出現。彼らは呆然としますが、どこからともなく現れた戦闘機に、それらは一掃されます。実は、大統領が勝利宣言をする直前に、アメリカ軍とロシア軍が侵攻してきたのでした。一連の事件は、この二大権力によって仕組まれてきたことだと悟り、レオンとサーシャは愕然とうなだれます。絶望のあまり、命を絶とうとするサーシャを止め、「おまえに自殺する権利はない/あばよ、バディ(相棒)」と、穏やかに告げて、一発の銃弾を浴びせます。失意のまま、疲労困憊したレオンと裏腹に、「国際指名手配になるのも悪くないわ」と、エイダは悪女めいた華やかな笑みを見せるのでした。
それでは、例によって、よくなかった点から申し上げましょう。ゲームの設定がわからないと理解しにくいと、WEB感想で見たように覚えていますが、私はさほど困りませんでした。できれば、ゲーム経験の少ない方は、公式HPだけは見ておかれた方がいいと思います。3D効果もリアルで悪くありませんでしたよ。ただ、リッカーみたいなグロいのに演出されると・・・・。特に、レオンと戦ったり、タイラントにたたきつぶされたりなどして、ぐしゃぐしゃにされる場面などは、エグさまで加わって、いい加減にうんざりしてきました。それから、あらすじではカットしましたが、レオンは銃器類の他に、バールを使ってまでして、多彩かつスピーディーに戦っていますけれども、私は目で追うだけで、もう必死。見せ場のはずなのに、結構、疲れました。3D慣れしていないせいかもしれませんけど。
しかし、欠点はそのくらいですね。ストーリーは、テッパンです。見終えてしばらくは、ひねりがないなと、不満だったのですが、今となってはこれがいいように思えております。下手で中途半端な斬新さを試みられるよりは、アクションシーンが凝っているのだから、ストーリー展開はわかりやすいのが一番です。それに、黒幕と思っていた大統領さえもが、踊らされていたという事実。まして、サーシャやレオンは、あまりに弱くはかない存在。権力者のエゴがある限り、B.O.W.はなくならず、憎悪と流血の連鎖は続いていくという、何とも恐ろしい世界の真実。この空しさに、私は横山光輝の『闇の土鬼』を連想しましたね。
見どころは、まず、レオン、サーシャといったイケメンのアクションです! これは非常にかっこいい! 予想外だったのは、悪の代表格、大統領。虫も殺さないような、美しく、うら若き女性で、一度たりとも、「勝ち誇った、いやらしい微笑」など浮かべませんでした。それだけに、やることのえげつなさが際立っています。彼女とエイダ、スカートにパンプスという、女の勝負服を着た者同士の一騎打ちは、パワフルで、ちょっと色っぽい。男性ファンにお勧めです。タイラントとの対決も、さらっと書きましたが、実はなかなか長くて、予測不可能でした。レオン、何度も殺されかけていますし、興味のある方は、上映館へGo!
エイダは敵ではないのは確かなのですが、相変わらず、正体不明。外見的には渋くなったものの、レオンは彼女と対峙すると、何だか、ふらふらと、危なっかしく感じられます。やはり、エイダが好きなのかな? まあ、男性からすると、魅力の塊みたいな女性ですからね。
レオンは・・・・もう、いつまで経っても危なっかしいな! 開始間もない場面で、「ブリキのきこり」「かかし」、「臆病なライオンのお出ましか」と、『オズの魔法使い』っぽいジョークで独り言を言って、少年みたいです。椅子に縛られたり、リッカー、タイラントに襲われたりと、何だかエロく感じられるのは、私だけでしょうか? 多忙ゆえ、二度見ることは難しいですが、これなら、ブルーレイやDVDを購入して、ゆっくり見てみたいです。それくらい、私は、はまりましたよ。それでは。
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コメント
初めまして。
ダムネーションの感想をググっておりましたらたどり着きました。
私も先日、2Dを鑑賞して参りました。
今回も美しく魅力的なエイダに加え美女なのにエイダを上回る兵のスベトラーナとの闘いも爽快でしたね!
個人的にはレオンを一身に期待をしておりましたがピンチの多いレオンでもそれで満足できました。
気になったのはレオンの老化でした。時系列をちゃんとしているのはいいと思うんですがところどころで気になってしまいました。レオンはゲームでのバイオハザード4が全盛期ですね!
きこりやかかしについてわからなかったので助かりました。
私もソフトを購入したいと思います!
投稿: レナ | 2012年11月17日 (土) 18時39分
レナ様、いらっしゃいませ。コメントをどうもありがとうございました。
そして、返信が遅れて申しわけありません!
風邪をこじらせて、ぐったりしておりました。
えっと、すみません、私が観賞したのは3Dの方です。
3D表現としては、わかりやすいながらも、アクションを目で追いにくかったのは、単に私が慣れていなかったのか、表現に問題があったのか、ちと判断がつきかねるところです。
エイダVSスベトラーナのバトルも、賛同していただき、ありがとうござます。
レオンの外見上の変化・・・・あわわ、あえて避けていた問題ですが(笑)、私としては、中味が危なっかしい少年のような彼でいてくれて、満足しております。
DVDやブルーレイの特典が、今から楽しみでたまりません!
投稿: 紅林真緒 | 2012年11月23日 (金) 18時04分