『魔百合の恐怖報告総集編』2012年秋の号(朝日新聞出版)の感想
『魔百合の恐怖報告総集編』2012年秋の号(朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
すでに、発売からずいぶん経っていますけれども、おもしろいものは、やはりよいのです。それに、前半の漫画が山本まゆり作画の寺尾玲子さんが活躍するシリーズで、後半が、ひとみ翔作画の天宮視子シリーズと、以前のほんとにあった怖い話から、現在のHONKOWAにまで続いている、超人気作品です。単に、寺尾玲子さんや視っちゃんがすごい、強いというだけでなく、全体的に読後感がいいため、大勢の人に支持されているのでしょうかね? この総集編は、二人の霊能者と漫画家さんが、充分に作品化されなかった、当時のくわしい状況や後日譚についても、Tea Time Talkという対談形式で語ってくれていますから、お得ではないでしょうか。
では、『魔百合の恐怖報告』シリーズ(山本まゆり)から、『正負の障り』。描き下ろし作品ですが、最近のお話は、ケモノ筋、生霊系が多いように感じるのは、私だけ? 働かないで楽をしようなんて考える、不届き者を近づけないよう、注意していかなければ。相談者の息子さんが、いい方向へなってくれそうで、よかった。
『邪念の神殿』、呪いの場としての神社は、困りますなあ。
『母の想い』、ニセ霊能者、宗教家ほど、いやな存在はない! だまされたまま亡くなった、相談者のお母さんが気の毒です。
『狼の護る町』守り神としての狼は、私の周辺ではあまり聞きません。でも、悪さをする霊的動物を退治してくれるのですね。その姿は、ちょっと見てみたいです。
『封じられた自我』、ダメ出しばかりして、相談者の人格を踏みにじるって、宗教者としてあるまじき愚行ではないでしょうか。
それでは、これから、『霊感お嬢・天宮視子』シリーズ(ひとみ翔)に参ります。
描き下ろし『蠢く霊障』、身体中を虫が蠢く、食われるとは、恐ろしい感触ですね。しかし、当の律子さん、本当にタフな性格をしていらっしゃる。私もこのような、霊障から立ち直りやすい、プラス思考でありたいです。
『略奪の仕掛け』、憑き物筋のお嫁さんに、やや横暴な相談者のご主人。真の被害者は、二人にふり回される相談者と、事故で亡くなった長男さんというわけです。自分だけ楽して生きようなんて、このお嫁さん、恥ずかしいと思わないのかな? しかし、修行者の霊といい、世話好きな霊もいるようです。
『最後の笑顔』、視っちゃん自身が相談者という、珍しいお話。私は、若くして亡くなった冴子さんより、彼女にふり回され、悩み続けた、視っちゃんの方に同感してしまいます。つい、霊障解決にばかり、注意が向いてしまう私なのですが、視ちゃん自身も気の優しい人なのですね。それでは。
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