『やってはいけない風水』(紫月香帆 監修)の感想
読了したばかりの、『やってはいけない風水』(紫月香帆 監修・河出書房新社)の感想を申します。いくらかのネタバレは含んでいますが、それを真似して実践しても、恐らく何も起こりませんから、興味を持った方は購入してみてください。
これは、風水による開運を目指した内容ですが、やるべき行動やアイテムではなく、やってはいけない諸々に特化しているのが特徴です。風水って何? 本当に効くの? という、初心者の方はもちろん、複雑すぎて難しいという、初級者の方にもお勧めです。もっとも、風水の速やかで劇的な運命改善は、ちと難しいでしょうが(そういうものを求められるのなら、評判のいい風水専門家に相談しないと)、しかし、納得のいく内容です。
そんな風水の基本を押さえつつも、とても読みやすいです。成瀬瞳、藤井昌子といったイラストもかわいくて、とっつきやすい中味です。私は改めて、風水による開運行動は、こまめでていねいな掃除、TPOに合わせた行動が必要だな、と痛感されました。早速、今からでも簡単にできることは、実行してみるつもりです。
反面、疑問に思うアドバイスも少々。開運カラーとして様々な色が挙がっていますが、黒はよくないそうです。が、あれはまさか、喪服オンリーではあるまいし、黒と赤、または金などと組み合わせると、すごく格好よく映えるはず。黒には黒のよさがあるとか、黒はいいけれども開運行動には向かないなど、悪者にしないように表してほしかったですね。同じ意味で、ストライプ柄もそうなのです。
もう一つ、お勧めの運気アップ法として、ぜいたくなスイーツを食べたり、高価な筆記用具を使ったりすることらしいですが、私の経験上、そこそこの資産家ほど、粗食に甘んじていて、身につけるものもリーズナブルと、早い話がケチなのです。むしろ、知人の知人で、羽振りがよくブランドづくめのぜいたくな衣食住を楽しんでいた人が、あっという間に落ちぶれた、という話をチラホラ聞くのですが、それはどのように解釈したらよいのでしょうか。それでも、ふだんの行動を見直す意味で、いい本だと思います。結構売れているのも、納得ですね。それでは。
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