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2013年9月 3日 (火)

『トリコロ MW-1056』1巻 特装版(メディアワークス・海藍)の感想

 四コマ漫画『トリコロ MW-1056』1巻 特装版(メディアワークス・海藍)の感想を申します。ネタバレが困る方は、ご注意ください。

 これ、本当にずっと探していましたよ。売れていたはずなのに、2版がでなくて、挙句に『トリコロ』自体は作者様の病気のため、終了してしまったそうですね。今回、メディアワークス様という出版社の本は初めて買ったのですが、感謝していいのやら、立腹すべきやら。
 それでも、芳文社版の『トリコロ』や今まで掲載されていなかった四コマ作品を収録した、『稀刊ツエルブ』がついてくるのは、本当にありがたいです。ただ、これも、掲載雑誌名や時期が載っていなくて、中途半端ではあるのですけどね。ともかく、通常版(現在でも販売されております)とこの特装版(品切れ状態)の区別は、『稀刊ツエルブ』の有無と、本誌の表紙の多汰美のデザインの違いによります。

 本誌の方は、相変わらず、まったりと続いているような、いないような、八重、真紀子、多汰美(この三人は同居しています)、景子の女子高生達と、八重の母、幸江、飼いハトのななせの、笑いあふれる愉快な日々のエピソードがつづられているわけですが、新キャラも加わりました。見かけが若々しい、景子の母、和弥(なごや)です。私はつい、カズヤと読んでしまいましたが、きれいで有能なキャリアウーマンです。ただし、礼服がないからといって、娘の中学時代の制服を着てしまう、トンデモ天然の性格ではありますが(P91「他人」より)。景子はそんな母の言動にうんざりしながらも、誇らしげに語るところ(P82「サブウェイ」)が、私は、ほろりと来てしまいました。
 中味はおもしろくて、笑えるものばかりで、私は萌えを食わず嫌いしてなくてよかったなあと、痛感させられました。ただ、後半にいくに従って、やや絵がよくも悪くも細かく、人物達の顔が小さくなっていくように見えるのですが、作者様はこの頃から体調がよくなかったのでしょうか。
 そして、未掲載分を収録した『稀刊ツエルブ』ですが、外見も中味も凄絶です。まず、季刊でなくて、「稀刊」となっていますし、正確な誌名は「Twelve13月号」で、刊行年月日が明治96年13月32日。表紙に様々な特集やコラムが載せてありますが、大半がジョークです。中味は次のとおり。

・トリコロ
・路を歩めば。
・ひとつやねのしたで
・みそじのさあやはいきおくれ
・神をも恐れぬミコバイター
・喫茶ルマンでピットイン
・さより天然もの
・私立凪沢高校用務日誌
・風紀委員が行く!
・イマドキオバケセイカツ
・ゲンキのクスリあります
・そら色レシピ
・おきらくデジタルママ
・ママはトラブル標準装備!

 この14本なのですが、「多すぎる」ですと? そう、実は本誌よりもこの付録の方が長く、150ページ以上あります。別冊付録や冊子自体、珍しくはありませんが、こんな大胆不敵な作りは初めて手に取りましたよ。
 ちなみに、もっとも長いのは『ママはトラブル標準装備!』。登場人物は、主人公で当初は小学三年生、後に中学2年生の野上菜乃葉、その母の花乃香(稀刊の表紙は彼女)、飼い猫のうな、隣りに住んでいるSOHOの神崎東女(しのめ)、妹の女子高生、秋女(あきめ)、最終回で登場する、19歳の青年(というより美少年に見える)、森崎雄大。『トリコロ』以上に笑い満載の、日常コメディです。続いていれば、代表作になりそうな感じなのに、終わり方が不自然極まるのが残念。作者様都合というより、掲載誌の休刊か打ち切りなのでしょうか。
 誰でも、病気になってしまいます。それでも、これほどの才能を埋もれさせてしまうのは、実に惜しい。ぜひとも、作者様の再起と、『トリコロ』再開もしくは新作発表を、私は心から願っております。それでは。

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