『HONKOWA2013年12月号 霊障ファイル 霊感体質の受難特集』(朝日新聞出版)の感想
コンビニ専用本『HONKOWA2013年12月号 霊障ファイル 霊感体質の受難特集』(朝日新聞出版)の感想を申します。いくらかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
霊感のある友人と知り合えて、私は結構、ラッキーだったなと思いますが、霊感を持ちたいかというと、非常に困る、かもです。掲載された全作品に共通することなのですけれども、霊感のある人(特に、予備知識のない幼い子どもには)のそばには、もう一人、アドバイザーのような人か、少なくとも、「見えること、見えてしまう人」に偏見を持たない人が必要だなと、痛感されました。
『過去への手紙』(山本まゆり)、これは強烈な体験談です。見える人のそばに、次から次へと霊がやって来るとは、もっとも怖いパターンですな。
『闇を見る娘』(桜庭つかさ)、見える娘と、見えない母、のはずが、影響されて見えつつあるお母さん。霊感のある人の間近にいると、そちら方面の感覚がだんだんと、研ぎ澄まされてくるらしいですけど、要するに、引っ越した方がよいのでは?
『彼岸の目撃者』(いしかわまみ)、このお話の霊感のある方は、割とクールなお人です。でも、その心境にいたるまでには、苦労されたようで。
『妖狐狩り』(ひとみ翔)、天宮視子シリーズで、寺尾玲子さんも登場しています。相談者は大変ですが、しかし、そのご先祖はひどいことをしましたね。だから、悪いことをしてはいけないのだし、呪詛は怖いですが、人間の心こそがもっとも恐ろしいのです。これは、視っちゃんや玲子さんに限らず、他のHONKOWA作品や、フィクション・ノンフィクションの表現物、私達の日常の雑談でも語られてきているのですけどね。
あと四話は、それぞれ別個の読者体験談なのですが、あづみ悠羽さん、大竹ともさんの絵はいい感じです。それでは。
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