『純喫茶コレクション』(難波里奈・パルコ出版)の感想
書籍『純喫茶コレクション』(難波里奈・パルコ出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますが、この本を購入して、紹介されている喫茶店へ行くことをお勧めいたします。
『純喫茶コレクション』は、小説集ではなく、東京を中心とした、レトロ感あふれる喫茶店を、写真と文章で紹介している本です。けれども、よくあるおいしいお店ガイドというわけでなく、コーヒーなどの値段はほとんど描かれておらず、お店の地図も載っていません。
では、この本の魅力は何かというと、日常のあわただしい生活の中で、昭和の香りがする場所=こちらでは喫茶店に出会い、心楽しいひと時を味わえるよう、すてきなお店を紹介していくというものです。だから、この本はロマンティックな気分にひたれる読み物、瀟洒な写真集といった趣です。古きよきものが、どんどんなくなっていると思われている昨今、レトロとひとくくりにしても、様々な喫茶店があるものだと、意外なような、うれしい気分になれました。
「はじめに」という前書きやコラムも、作者様の喫茶店に対するロマンや思い入れが感じられて、喫茶店好きにはたまらない内容です。読了したら、この本に載っているお店に行ってみたくなり、あるいは、純喫茶を探してみたくなるでしょう。
大好きなものへ、このようなアプローチ法もあるのだなと、私は感動するとともに、感心しきりでした。仕事や家の用事、勉強が片付いたら、私もこの本にあった、大阪や京都の喫茶店に行こうと思います。願わくば、第二弾を発行してくださいませ。それでは。
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