『姉のおなかをふくらませるのは僕』1巻(原作:坂井音太 作画:恩田チロ・秋田書店)の感想
コミック『姉のおなかをふくらませるのは僕』1巻(原作:坂井音太 作画:恩田チロ・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
メインキャラクターは、姉→美人だけど、一見近寄りがたそうで、しかし中味はプロレス好きの食いしん坊という、女子高生の市川京子、弟→女の子のようなかわいい外見ながら、しっかり者で料理が得意な小学生、忍。この姉弟、両親は亡くなっている上、血のつながりがないのですが、当番制で料理をしながら、二人きりで仲よく暮らしています。そこへ、京子や忍、それぞれの友達、25歳の叔母、梨由子がいろいろと関わってきて・・・・というもの。
一話完結ながらも、緩くつながっており、単行本でまとめて読んだ方が、京子の個性的な友人達(セクシー、クリ子、ボウヤ)、忍のガールフレンド(ロングキスグッドナイト、ゆみみ)などの性格や言動を楽しめると思います。
陰の主役ともいうべき、登場する料理について、日本料理、家庭料理と、シンプルに区切れるものではありません。第4話アペタイザーかと思えば、第2話はサンマがメインの献立で、第6話はパスタでしたし。レシピはくわしい分量が載っていたり、いなかったり、なのですけれども、どれも手間をあまりかけずに、時として簡単に(第3話ほったらかしシチュー)できるものばかりで、私みたいな料理下手には、この漫画、バイブルのように大助かりです。
しかも、作中で、みじん切りのこつを紹介していることもあれば(第1話)、各話のラストに、京子または忍の「料理をうまく仕上げる一言ポイント」が述べられていて、予想外に役立ちます。私、好奇心に任せて、何種類かの料理をやってみましたところ、一番簡単で美味だったのが、第3話のシチューでした。第1話の煮込みも、材料が安い割にボリュームがあっておいしかったので、この2つは現在、紅林家の定番メニューになっています。
マイナスポイントは、何と、特にないのですよ。絵柄がムチムチと、プチエロなので、好みでない人もいるかもしれませんが、わざとらしい、読者サービス的なエロはないから、私は好きですね。2巻も読みますよ。それでは。
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