『絢爛たるグランドセーヌ』1巻(Curvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』1巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれており、さらに、私だけの奇妙な修行事情にも触れている部分がありますので、ご注意ください。
私、バレエ漫画を読んだのは、これが初めてなのですが、思いのほか楽しめました。なぜなら、今、文章表現修行で、どのようにやるべきか、今までのやり方でよいのかと、迷いだしたからです。何年かに一度訪れる、迷走期なのですけれども、文豪達の文章読本や最近の小説家のノウハウ本を読んでみても、何か実感が湧かないのです。それで、アマゾンの書評でこの漫画を見つけて、読んでみたわけです。
では、『絢爛たるグランドセーヌ』は、私の役に立ってくれるでしょうか? それはまだ、わからないのですが、参考になったように思います。何といっても、奏の、バレエを好きな気持ち、好きだからこそ上達したいという、一途さは、共感できますから。
少し戻りますが、この漫画のいただけない点を先に述べますと、全身のバランスがおかしいシーンがいくつかあるようです。具体的にどれとは指せないものの、違和感というか、苛立たしさを感じてしまいます。そして、バレエ専門用語のラッシュ! もう少し注釈がほしいです。
いいところとしては、これはもしかして欠点かもしれませんが、あらすじでカットしたような小さなエピソード・シーンが生々しいことです。梨沙が、バレエをやめざるを得なかった理由(今後、バレエ衣装に関わってくるようです)。発表会の、チケット・ノルマや、父兄も協力しての裏方作業。
人物も、奏はもちろん、みんな存在感があります。本番前、わくわくと楽しそうな奏と裏腹に、昼食ものどを通らない翔子。クールな翔子は奏の友達であると同時に、ライバルであり、追いつかれてたまるかという意気盛んなところに、ライバル萌えの私がわくわくします。
奏は本当に、体格・音感など、バレエに有利な素質はないのですが、翔子やDVD等を見、自分に足りないものを察知する観察眼の鋭さは大したもの。2巻以降の盛り上がりを、大いに期待します。それでは。
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