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2016年5月22日 (日)

『絢爛たるグランドセーヌ』4巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』4巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 まーた、私の予想の斜め上を行く展開でした。4巻では、栗栖さくらとはタイプの異なる天才、藤田絵麻が印象的でした。奏より一歳年長で、翔子と同い年ながら、この二人は険悪な関係。ストーリーはシンプルながらも、今回も楽しめました。

 あらすじとしては、さくらがユース・アメリカ・グランプリのジュニア部門で一位に入賞し、バレエ留学もすることに。奏も負けじと、眠れる森の美女のリラの精のお供の役を決めるオーディションに、翔子と一緒に参加します。そこで、奏は、かなり複雑なアンシェヌマンなのに、一発で覚えて踊る少女、絵麻に目を奪われます。
 結果、絵麻、翔子とともに、奏は合格でき、プロの人々と一緒の舞台に立てる期待に、胸をふくらませていたところ、振り付けの先生が、何と、スワニルダのお手本だった、アビゲイル・ニコルズ。奏はニコルズ先生に、個人レッスンまで受けさせてもらい、大喜び。しかし、絵麻はオーディションから練習まで、ずっと浮かない表情でいて、奏が心配していたところ、階段を落ちて捻挫してしまいます。軽傷ながらも本番に間に合わないため、出場できなくなり、ひどく落ち込む奏に、さくらがやって来て、以前の絵麻などを語り聞かせるうち、奏に活力が湧いてくるのでした。その後、梨沙と出会い・・・・というもの。
 さて、いただけない点についてですが、しつこいようで申し訳ありませんけれども、相変わらず、全身像で奇妙な感じがしますよぅ。奏と絵麻、二人が背中合わせで真横になっている絵など、何かぎくしゃくした感じ。あと、アンシェヌマン、プレパラシオンはどうにか覚えましたが、専門用語をもう少しくわしく解説してもらえると助かるのですけど。
 観察力の鋭い奏が、バレエのトップ、ニコルズ先生を間近で真似して踊るシーンは結構長いのですが、これはスルーされる? それとも、今後の重要な伏線になるのでしょうか? また、ニコルズ先生もまた、滝本先生をリューダと呼んでいましたが、滝本先生は並みならぬ実力者ということでしょうか? この謎が次第に解き明かされることを、願っています。
 マイペースで、ややぶっきらぼうな絵麻は、生真面目な翔子と何度か衝突していますが、なかなかハードな過去があったようです。ちゃんと踊れるのに、絵麻はいつも表情が固いのも納得できます。奏が練習に熱中しすぎて、足の親指の皮がむけて出血してしまったとか、奏の両親のやり取りなど、何だかすごくリアリティーを感じさせます。
 でも、私としては、ラスト近くの、奏と話した後、わずかに微笑するさくらの表情がいいと思います。このシーンを見るだけでも、4巻を買った価値はありました! 2巻の冷めた表情はなく、とても生き生きして楽しそう。奏と会って、よかったね、さくら!

 最後に、4巻のインパクト台詞を少々。遅筆の私は、肝に銘じておかなければ。5巻、6巻も購入します。それでは。

さくら:休んでる間にできることだってある ケガをしたからって 時間を無駄にしてた あの子が悪い

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