『絢爛たるグランドセーヌ』2巻(Cuvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』2巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
あらすじとしては、生き生きしたキューピッド役を演じ終えた奏のもとに、チケットのお礼なのか、一人の少女が訪れます。彼女こそ栗栖さくらで、ジュニア部門のバレエのコンクールでいつも上位にいることで有名なのですが、奏にも翔子にも、プロを目指す者として、超上から目線で語りかけます。その口ぶりよりも、さくらの所属するバレエ・スタジオでは、本人の希望を通すよりも、プロとしての素質がある者しか教えないというやり方で、奏は憤激し、さくらとのコンクール勝負を持ち掛け、さくらは応じます。
が、滝本先生さえも、奏や翔子がさくらに勝てる見込みはないと断言しますし、ようやく許されたトウシューズが皮肉にも、奏の動作をぎこちないものにしてしまいます。そして、コンクール当日、ライバルのさくらは、見事に黒鳥(オディール)を演じました。さて、奏はコッペリアのスワニルダのバリエーションで、さくらに一矢報いることができるのでしょうか?
さくらの母は、バレエの指導者で、あらすじの説明だけでは、杓子定規で冷たい人物っぽいのですが、「素質のない者には教えない」のは、海外の有名バレエ団の当然のルールだそうです。さくらとその母の理論は、それはそれで正しいように思います。恐らく、上達も早いでしょう。ただ、上昇志向が強いゆえ、ケガ等でレッスンやコンクール出場ができなくなったら、なかなか立ち直れないのでは?
そう思うと、「バレエが好き」とのシンプルな理由で、厳しいレッスンに臨み、動画を見て研究を惜しまない奏は、天才でなくとも、すごい可能性を秘めていると、私は予想しております。また、さくらは、舞台でこそ美しいけれども、ふだんは目の焦点のあいまいな、つまらなさそうな少女です。それを奏に指摘されるや、さくらが激昂する場面は、なかなか迫力がありました。
「お前と私の踊りは違うんだ!! 甘っちょろいこと言うなぁ!!!」
はあぁ、3巻が楽しみです。それでは。
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