『絢爛たるグランドセーヌ』5巻(Curvie・秋田書店)の感想
『絢爛たるグランドセーヌ』5巻(Cuvie・秋田書店)5巻の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
おっと、興奮して、あらすじを紹介し忘れてしまいました。第一エピソードは、ケガをした奏に語るという形で、梨沙がバレエの歴史について語ります。そして、舞台当日、観客席の奏とさくら、本番の翔子と絵麻、それぞれの思いが交差する、というもの。第二が翔子と父の対立。第三が奏と翔子による、シルヴィアのピチカートのレッスンと本番。一見、簡単そうなのに、個性の異なる二人ゆえ大苦戦します。
第一では、マイペースなはずの絵麻が、さくらの来訪に動揺し、それをすかさずサポートする翔子の言動がいい! 個性はバラバラながらも、バレエを好きなことに変わりはない、少女達の心模様が描かれ、結構、しみじみ感じさせられます。
第三は、バレエではないのですが、実は私も、書道に熱中していた頃、「先生と私の字は、一生懸命書いて、先生からほめられても、どうしてなのか、何かが違う」と、思っていたのですが、今回は先輩の咲希の一言で、奏の個性に関する思いが粉砕されます。
「基礎が完璧じゃないのに 個性的な踊りを目指そうとは 笑止千万ッ!!」
私としても、恐れ入りました(精神的土下座)。
それでは、メインたる第二ですが、私はダンスを見るのも踊るのも大好きなのに、なぜかバレエ漫画を見なかった、見なくなった理由を思い出しました。見ていた漫画(もちろん、タイトルも作者名も忘れております)が、よくなかったようです。主人公のライバルにあたる、お金持ちのお嬢様が、よくいじめをしていたからですわ! 私のような能天気でバレエ素人でも、レッスンが厳しいのは知っていますし、いじめる暇なんてないはず。ああ、うっとうしいと、敬遠してしまったわけですね。
しかしながら、親の反対とは、超絶リアルなエピソードですな。もちろん、翔子の父は、深い考えがあって反対していたわけです。父娘のぶつかり合い、母の協力、未婚だった頃の父と母の出会いなど、胸がキュンキュンするシーンの連続です。やはり、大好きなものがあって、それを目指して一途に進んでいく姿というのは、周囲を感動させ、応援したくさせるのだなと、感じさせられました。さあ、はりきって、6巻も読みますぞ。それでは。
| 固定リンク | 0
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 『楠勝平作品集 彩雪に舞う……』(青林工藝舎)の感想(追記)(2022.05.27)
- 『楠勝平作品集 彩雪に舞う……』(青林工藝舎)の感想(続き)(2022.05.21)
- 『楠勝平作品集 彩雪に舞う……』(青林工藝舎)の感想(2022.05.15)
- 『貴婦人狩り』(笠間しろう・ソフトマジック)の感想(2022.05.04)
- 『孤独のグルメ』文庫版・新装版(原作:久住昌之 作画:谷口ジロー 扶桑社)の感想(追記)(2022.05.03)
コメント