« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

2017年11月に作成された記事

2017年11月27日 (月)

『凍鶴』(上村一夫・小学館文庫)の感想

 コミック『凍鶴』(上村一夫・小学館文庫)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 私はずっと、「とうかく」と読んできましたが、「いてづる」でした。ごめんなさい。
 お話は、こごえた足を温めようとして、片足立ちをする癖のある少女、「つる」が成長し、やがて、「鶴菊」と名乗る、一人前の芸者となる、というもの。最初、故郷から売られて、置屋の「仕込みっ子」だったのが、あでやかな姿の芸者となる様子が、なかなか見事に描かれています。
 緩くつながっていますが、ほぼ一話完結で、どこから読んでも大丈夫な構成です。時代的には、昭和初期から太平洋戦争の渦中まででしょうか。後半は、客に兵隊が多くなり、暗い世相を感じさせながら、やや唐突な感じで終わります。休載なのか、普通に連載終了したのか、よくわかりません。私はおもしろい、いい内容だと思ったので、終戦か、芸者のつるについた仕込みっ子、お春(美貌のつると違って、器量は今一歩)が独り立ちするまで、続いていたらなあ、と思いました。
 何年頃、どこに掲載されていたのか、この本だけでは不明という、やや不親切な作りですが、後書きは阿久悠がエッセイを載せています。読了してから思うに、阿久悠と上村一夫、天才二巨頭が親しかったって、ものすごいことがあるのですね。そして、天才ゆえに、この作者様は早く亡くなったのでしょうか。実に惜しい!

続きを読む "『凍鶴』(上村一夫・小学館文庫)の感想"

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月20日 (月)

『どすこいスピリチュアル 呪詛の家』(漫画:小林薫 原案TANAKA・大都社)の感想

 コミック『どすこいスピリチュアル 呪詛の家』(漫画:小林薫 原案TANAKA・大都社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 サブタイトルに、「心霊ライター・タナカの取材メモ」とありますとおり、両国に自宅兼事務所のある、よろず系のフリーライター、ぽっちゃり体格のタナカさんが、スピリチュアル関係の内容を漫画化したものです。
 だから、霊能者が恐ろしい悪霊と戦うなどの、バトルはありませんし、身の毛もよだつ怖さはないです。その代わり、ギョッとする場面は、ちらほら含まれていますね。タナカさんは霊感がない分、私達も経験してきた、あるいは、するかもしれないエピソードばかりで、なかなか役に立つ内容です。
 一話完結の短編9つが収録されています。私のお気に入りを、いくつか挙げてみますと。

続きを読む "『どすこいスピリチュアル 呪詛の家』(漫画:小林薫 原案TANAKA・大都社)の感想"

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月17日 (金)

『マンガで学ぶ 頭にくるひと言への切り返し戦術』(神岡真司・ぱる出版)の感想

『マンガで学ぶ 頭にくるひと言への切り返し戦術』(神岡真司・ぱる出版)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますが、実用書ですから、興味をひかれた方は購入されるのがベストでしょう。おっと、ここで終わっては、身も蓋もありませんね。

 私がこの本を手に取ったのは、職場で、いわゆるパワハラに悩んでいるからです。しかも、現在進行形なのですわ。「プライベート、特にハードなものは原則として、ここに挙げない」のがルールである、激情ざっくばらんが始まって以来の、深刻な事態です。まあ、家の思いがけない事情があって、ギリギリで、私のブチ切れは回避できたのですが、また同じようなことが起きたら、どうしようと、思い悩んだ結果、見つけてきたものの一つです。

続きを読む "『マンガで学ぶ 頭にくるひと言への切り返し戦術』(神岡真司・ぱる出版)の感想"

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 3日 (金)

『絢爛たるグランドセーヌ』6巻(Curvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』6巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 6巻もまた、すてき&すばらしい内容でした。奏や翔子に数歩先んじているはずのさくらが、何とアメリカで大苦戦し、不本意な成績に終わります。さらに、奏はアビゲイル・ニコルズ先生からバレエ留学を勧められて有頂天になるものの、滝本先生は、ある種の危惧を抱きます。
 今後の展開は、どうなるのでしょうね(うれしい悲鳴)!

続きを読む "『絢爛たるグランドセーヌ』6巻(Curvie・秋田書店)の感想"

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »