『エロマンガ・マニアックス』(山田裕二+増子真二 太田出版)の感想
『エロマンガ・マニアックス』(山田裕二+増子真二 太田出版)の感想を申します。イクツカノネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
さて、この『エロマンガ・マニアックス』は、上村一夫関連本ということで購入しました。1998年12月が第一刷なので、情報としては少々古いし、表表紙の上村一夫、裏表紙の福原秀美、どちらもエロいカット絵ゆえに、通勤通学などの衆人環視の真っただ中で読むには、非常に気恥ずかしいものがあります。
しかしながら、欠点としては、それくらいでしょうか。エロマンガ(エロ劇画がメイン)の評論としてはもちろん、単なる色物、エロ物好きで何も考えていない私のような者にも、わかりやすい読み物として、とても楽しめました。
何とか漫画賞、大賞があって、漫画自体は社会的に大きく認められているのに、エロマンガというと、資料たる雑誌さえ見つからなかった(あとがき その1)そうで、本当に、山田裕二・増子真二の労作であり、傑作だと思います。
この本の構成は、エロマンガのタイプ別に分けています。つまり。
第2章 猟奇/クィアー系
第3章 カストリ/モンド系
第4章 脱力/チルアウト系
そのようなわけで、エロい物好きな私でしたが、この分野で知らない作家、未読の名作がいっぱいあると思い知らされ、恥じ入りました。特に、また他の作品を読んでみたいと思ったのは、榊まさる、宮谷一彦、川崎三枝子、笠間しろう、安部慎一です。のんびりした週末、好きなページをめくって読むもよし、未知の作家について調べるもよし、大変実用的かつユニークな内容でした。お勧めです。それでは。
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