『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
7巻のあらすじとしては、YAGPコンクール出場を目指して、奏は自らの課題に挑戦する一方、彼女達より先んじている、さくらは、ドイツのミュンヘンへ旅立ちます。その出発ギリギリで、奏は、「追いつくからね」と言い、さくらは、「もっと自己中にならないと 他のやつらに蹴り落されるよ」と、アドバイスし、次の場面で、何と(ネタバレ避けで、自主規制)。
この場面、私は一番驚かされました。あの向上心が強すぎて、攻撃的になってしまう、あのさくらが、まさか、という感じです。うーん、奏とはライバルというよりも、親友の関係になるのでしょうか。この作品では、露骨に意地悪や妨害をする表現(1巻で、聞えよがしの悪口を言う場面はあったかも)がないので、読み心地(?)がいいです。
反面、不思議なほどに色っぽいエピソードがなかったのですが、今回、みんなで踊ろうクラスにいた高井亮が再登場、奏より一歳年長の小早川暁人も現れます。暁人は奏や翔子と、恋愛することになるのでしょうか?
そして、クールな暁人は、ポーカーフェイスという困った欠点の持ち主であり、克服できるのかな? と、私は少々心配です。
やがて、YAGP国内予選の始まりです。ワークショップで、奏はまたガレル先生の教えを受けるますが、6巻の終わりで覚醒した、藤田絵麻が予想外の進歩を遂げていました。さらに、絵麻はオーロラを踊ることが判明し、同じ演目の翔子は厳しい表情に(心に静かな炎を宿らせる、とでもいうのでしょうか)。ここで、7巻は終わりますけれども、奏は、多くの同世代達の演技が見られ、互いに切磋琢磨できて、「楽しい」なんて、のん気に思っています。
しかし、絵麻の上達は、翔子のみならず、奏をも、寒気を感じさせるものでした。この辺の表現、作者様が小憎らしくなるほどにいい! です。
衣装担当(?)の梨沙の工夫と思い、多数の参加者がいるオーロラを選んでしまった、翔子の焦りなど、ストーリーに直接関わらなくとも、ちょい役でさえも、この漫画は深い味わいがありますね。
でも、たった一つ、願わくば、バレエ用語の説明を、枠外か巻末に入れてくれないかな、と思います。ちょっと残念。それでは。
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