« 『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想 | トップページ | 『エルフ‐17』全4巻(山本貴嗣・白夜書房)の感想 »

2018年7月17日 (火)

『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 現在も非常に暑いですが、この漫画で描かれる、クラシックバレエの大舞台を目指す、少女達の挑戦と戦い、そして、友情も負けず劣らず熱い!
 7巻のあらすじとしては、YAGPコンクール出場を目指して、奏は自らの課題に挑戦する一方、彼女達より先んじている、さくらは、ドイツのミュンヘンへ旅立ちます。その出発ギリギリで、奏は、「追いつくからね」と言い、さくらは、「もっと自己中にならないと 他のやつらに蹴り落されるよ」と、アドバイスし、次の場面で、何と(ネタバレ避けで、自主規制)。

 この場面、私は一番驚かされました。あの向上心が強すぎて、攻撃的になってしまう、あのさくらが、まさか、という感じです。うーん、奏とはライバルというよりも、親友の関係になるのでしょうか。この作品では、露骨に意地悪や妨害をする表現(1巻で、聞えよがしの悪口を言う場面はあったかも)がないので、読み心地(?)がいいです。
 反面、不思議なほどに色っぽいエピソードがなかったのですが、今回、みんなで踊ろうクラスにいた高井亮が再登場、奏より一歳年長の小早川暁人も現れます。暁人は奏や翔子と、恋愛することになるのでしょうか?
 そして、クールな暁人は、ポーカーフェイスという困った欠点の持ち主であり、克服できるのかな? と、私は少々心配です。
 やがて、YAGP国内予選の始まりです。ワークショップで、奏はまたガレル先生の教えを受けるますが、6巻の終わりで覚醒した、藤田絵麻が予想外の進歩を遂げていました。さらに、絵麻はオーロラを踊ることが判明し、同じ演目の翔子は厳しい表情に(心に静かな炎を宿らせる、とでもいうのでしょうか)。ここで、7巻は終わりますけれども、奏は、多くの同世代達の演技が見られ、互いに切磋琢磨できて、「楽しい」なんて、のん気に思っています。
 しかし、絵麻の上達は、翔子のみならず、奏をも、寒気を感じさせるものでした。この辺の表現、作者様が小憎らしくなるほどにいい! です。
 衣装担当(?)の梨沙の工夫と思い、多数の参加者がいるオーロラを選んでしまった、翔子の焦りなど、ストーリーに直接関わらなくとも、ちょい役でさえも、この漫画は深い味わいがありますね。
 でも、たった一つ、願わくば、バレエ用語の説明を、枠外か巻末に入れてくれないかな、と思います。ちょっと残念。それでは。

ご協力お願いします。

人気ブログランキングへ

| |

« 『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想 | トップページ | 『エルフ‐17』全4巻(山本貴嗣・白夜書房)の感想 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想:

« 『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想 | トップページ | 『エルフ‐17』全4巻(山本貴嗣・白夜書房)の感想 »