« 『真田魂』1巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想 »

2018年7月13日 (金)

『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想

 読了して間もない、豪華仕様のコミック『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 こちらは、『淫花伝』という、上村一夫完全版シリーズ、アダルト系コミックです。『『淫花伝2』は、高橋お伝の物語だそうで(私は未読)、さらに数冊、続いているのでしょうか。たくさん読みたい本、読むべき本、感想待ちの本があるから、調べませんけどね(おいおい←自主ツッコミ)。
 あらすじは、かの有名な阿部定の生涯、でなく、半生を描いています。脚色つきだから、フィクション込みです。なので、アダルト系(しかし、成人指定ではないのです。性器や結合部分とかを、描いていないからでしょうかね?)嫌いな方と、「阿部定は実在の人物だから、ノンフィクションでなくちゃ!」という方には、不向きかと思います。

 私的にいただけない点としては、セリフ部分に誤植? 校正ミス? みたいなものを、一か所、見つけてしまったのです。ひょっとして、もっとあるかも。きれいな装丁の、高い本なのに、これはがっかり。
 けれども、全体的には、エロくて、いい雰囲気です。中心となるのは、やはり、石田吉蔵との泥沼愛欲生活を描いた下巻の方でしょうが、上巻も十分に読み応え(見応え?)があります。たとえば、第二章で少年と定がまさぐり合うのもいいですが、第三章は、特に。男といちゃつく→厠→父とうなぎを食べる→巡査に説教される→父になぐられるといった、大していやらしくもないはずの場面が、淫靡に感じられてしまう、上村一夫の表現力は本当にお見事です。
 だからもう、下巻の、定と石田の情交の、しつこさ、粘っこさ、無限ループぶりは、開いた口がふさがらないと、言うべきでしょうか。クールになってみれば、貧困の中、お互いの情欲を満たすことしか頭にない、愚か者どものの破滅行為といえるでしょうね。
 二人の絡み合いに比べれば、一般的に変態といわれるSMが、理性と知性を交えた、高等性行為に思われてくるくらいです。
 しかし、定が石田を殺害して、あのように遺体をもてあそぶ? まで、互いを高め合い、求め合った果ては、情欲以外のものがない、不思議な純粋さが根底にあるのも事実です。
 ゆえに、阿部定事件は、長らく語り継がれているのでしょうが、私はやはり、こんなどん底関係は、絶対にごめんです。やりたくも、されたくもありません。なのですが、ちょっとだけ、うらやましくもあるのです。とにかく、上村さんの卓抜した画力で美女になり、インパクトある愛欲物語になった阿部定は、幸せだなあと、思いました。それでは。

ご協力お願いします。
人気ブログランキングへ

|

« 『真田魂』1巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224628/66936564

この記事へのトラックバック一覧です: 『淫花伝1 [阿部定]』上・下巻(画:上村一夫 原作:戸田昌子 脚色:岡崎英生)の感想:

« 『真田魂』1巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』7巻(Curvie・秋田書店)の感想 »