『絢爛たるグランドセーヌ』9巻(Cuvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』9巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
あらすじを申しましょう。翔子はトップ12入りで、絵麻は一位、奏は三位でマルセイユ国立舞踊学校の短期留学スカラシップを獲得します。これは、さくらに言わせると、「なんて ピリッとしない結果!」だそうで。当のさくらは、留学先のミュンヘンで、やはりあの気の強さが災いして、パ・ドゥ・ドゥで苦労しています。
ガレル先生との距離が縮まった奏ですが、どんなダンサーを目指すのかと問われて、答えに窮します。奏のレッスンに協力的だった両親は一転、留学先でちゃんとやれるよう、家事手伝いをさせます。フランス語の勉強以上に、奏は、てんてこ舞い。
少し謎めいていた滝本先生が、ロシア人ハーフであることが判明。でも、現役時代の映像が残っておらず、少しばかりの画像からは、かなりの実力派であると推測されるのでした。逆に、謎が深まった?
後半、奏はパ・ドゥ・ドゥに初挑戦するのですが、男子と息を合わせたり、スキンシップ的に慣れていなかったりで、残念なことに。このあたり、少し男子の特徴に触れられていて、おもしろいです。
パ・ドゥ・ドゥはスムーズに踊れて、家でも地味にレッスンを重ねる翔子でしたが、奏に、どんなダンサーになりたいのか、とたずねられ、こちらも絶句。刺激されて、レッスンを飛ばすのでした。そんな二人の前に、コンテンポラリーのレッスンで現れたのは、かつて「楽しく踊ろう」クラスを受け持っていた、玉木先生で・・・・。
と、個性的な面々が活躍する分、奏がやや埋もれ気味だったかもしれません。それでも、ひたすら、楽しんでレッスンに励む奏、ストイックに努力する翔子は、行動こそ対照的ながらも、両方とも非常に共感できます。翔子がイラついていた、マイペース派の絵麻も、向上心を持ったがゆえに、美しいダンサーに進化しました。
怠け者でバレエも知らない私ですが、やはり、夢に向かって努力していく少女達の姿は刺激になりますし、励みにもなります。がんばろう! 10巻も楽しみです。それでは。
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