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2018年12月17日 (月)

『男と女の部屋』(阿久悠 作・上村一夫 画・小池書院)の感想

『男と女の部屋』(阿久悠 作・上村一夫 画・小池書院)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 成人指定ではありませんが、大人の男女の短編集です。登場する女性は娼婦か、そういう系統のお仕事をしています。表紙絵の女性は涙を流していますが、すべて悲しいお話というわけではなく、泣き笑いのような、滑稽なニュアンスも。ただ、やはり、切ない読後感が残ります。
 すごいどんでん返しや伏線の回収はないのですが、淡々と・・・・物悲しい。封入されている、山崎ハコの音楽CD「男と女の部屋」(もちろん、作詞は阿久悠!)の雰囲気と、ぴったりはまります。

 収録されているのは、全十一話で、「鷗の女」「泣きぐせの女」など、大半が「〇〇の女」で、一話だけ「ファニーのような女」というタイトルです。その中でも、私が気に入ったものを挙げますと。

 第三話 しあわせな女
 金持ちのパトロンがついたのに、娼婦の道に戻る若い女。終始、彼女は頭が悪そうとも、晴れやかそうともつかない、不思議な表情をしています。

 第四話 偽りの女
 娼婦あかりの過去は、地獄の・・・・。そんな彼女の作り話を、信じこむ客は、幸せなのか、単純なのか。微妙なところです。

 第九話 二代目の女
 いかがわしい酒場を経営する母の元で、健やかに育った娘。しかし、なぜか、いつの間にか・・・・。けれども、彼女の表情に陰りはありません。が、最後のモノローグが悲しげ。

 第十一話 湖畔の女
 娼婦の悲しみが、もっとも強く表れています。小さな好奇心が、転落の第一歩になることもあるのですね。「しあわせな女」と、対照的な内容だと思います。

 ともあれ、読んでから聴くか、聴いてから読むと、いっそう切なさが胸にせまってくるようです。それでは。

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