斎様、安らかに
タイトルの斎様とは、ぶんか社発行の『強制除霊師・斎』(監修:斎 小林薫)シリーズの実在、霊能師の方のことです。いつか、まとめて感想を、と思っていたのですが、シリーズ8作目の最新版『自殺女房』にて、亡くなられていたことを、初めて知りました。残念です。とても悲しいです。
今まで読んできた霊能者とは異なる、言動が辛辣なドSなタイプだからなのですが、しかしながら、神様や、いわゆるあの世のこと、悪霊に関して、非常にわかりやすく納得のいく説明をされていました。
さらには、私達がどう生きるべきか、なぜ生まれてきたのかといった、倫理的な部分まで及び、興味深く、新刊が出るのを楽しみにしていた矢先の訃報でした。
『怨霊旅館』『因縁の系譜』『守護悪霊』『悪行の代償』『呪念の地』『哀しみの悪鬼』『疫神』『自殺女房』とある単行本は、ほぼ一話完結で、どこから読んでも大丈夫なのですが、私が特にお勧めしたいのは、『悪行の代償』と今回の『自殺女房』です。
前者は、恐ろしい地獄の光景と、命をもてあそぶことの罪について描かれており、後者は、自殺した霊の痛ましさがあって、どちらもうならされてしまいます。
他にも、斎流の風水や、悪霊などから身を守る方法等もあって、意外と実用的に思われます。怖い話が苦手でなければ、皆、お勧めです。
斎様とは、表紙イラストのとおり、一見男性? と見えるのですが、女性です。悪霊をつぶしたり、甘ったれた依頼人を叱責したりする反面、飼い猫にはデレデレなのが、ちょっとほほえましい。
斎様のお話は、もう少し発行されるそうで、また感想を述べたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。それでは。
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