『修羅雪姫 修羅の決意編』(原作:小池一夫 作画:上村一夫 主婦の友社)の感想
COMIC魂別冊『修羅雪姫 修羅の決意編』(原作:小池一夫 作画:上村一夫 主婦の友社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
外題之五 鹿鳴館殺人八景 三【後編】
極楽法事帳花千両 四
外題之七 鏤骨彫心花面影
外題之八 生命質屋無残始末
明治時代の女殺し屋(江戸時代なら、武芸者? 渡世人?)、雪の冷徹にして、無類の強さが、読み手にも完全にわかってきましたゆえ、もしや展開がダレ気味になりはしないかと、私は危ぶんでおりましたが、とんでもない早とちりでした。
精神的土下座をいたします。
今回も、前回と異なるおもしろさ、エロさに満ちております。メインのお話は、表紙の宣伝文句のとおり、怨敵の北浜おこの抹殺(外題之八。ある意味、すさまじい復讐です)でしょうが、私は外題之六が一番印象に残りました。
仇の居場所を教える代償として、雪は、差配の松右衛門から、檀家衆の過去帳を入手するよう依頼されます。そこで、尼僧に変装した雪は、錦小路家の娘を同性愛のわなにかける、というわけです。
またしても、雪の、目的のためには手段を選ばない、非情ぶりが描かれます。特に、娘は不治の病気なのに、とことん消耗させるなんて、本当にひどい・・・・。
しかし! つやっぽいです、エロいです。観世音菩薩の現身のような、情愛あふれる表情や言動から、時折見せる、計算高い様子。女同士の情交。一転して、殺し屋への変貌とか、とにかく、見ごたえがありました。
外題之九では、番頭衆を恐喝する、正体不明の男。ここで初めて、雪は貞操と命の危機に。けれども、男女の情交とは、ある意味、このような強弱関係にあるのかもしれないと、思いました。外題之六では冷酷だった雪が、本来ならば憎むべき男に見せる、つかの間の優しさ、最後のページの表情が切ないです。
さて、次号で終わりなのでしょうか? 雪の修羅道がどのようなものになるのか、とても楽しみなのですが、終わってしまうのが残念でもあります。それでは。
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