『絢爛たるグランドセーヌ』10巻(Cuvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』10巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
興味がわいた勢いで、いつか、何かの機会で、じっくりと、クラシックバレエを鑑賞してみたいです。
10巻のメインは、奏のバレエ留学。フランスのマルセイユへ、一人、旅立った奏ですが、ホームスティ先に、何と、あのさくらを圧倒した、ベネズエラの少女、アンドレア・メンドーサがいました。早速、奏は、アンドレアと仲良くなろう、バレエに関する話をしようと、いろいろ試みるのですが、アンドレアは英語が苦手なこともあって、怪訝そうな表情を浮かべて、突っぱねます。
けれども、アンドレアが冷ややかな理由は、故郷のベネズエラが政情不安定なためであって、家族を気づかって、ひそかに涙を流していたのです。ゆえに、奏がうっかり日本の母へ連絡メールを忘れていたことを知るや、スペイン語で激しく怒鳴りつけ、ケンカのようになります。
アンドレアとはそんな気まずい雰囲気であるものの、マルセイユ舞踏学校のレッスンは、奏にとって超充実! やがて、奏は曲(リズム)に乗れていないという、長らくの欠点を克服する方法を、ジャズダンスのレッスンによって見出すのでした。
アンドレアとのコミニュケーションだけでなく、レッスンの細かい部分がわからず、「言葉の壁」に四苦八苦する、奏の悩みがとてもリアルです。
しかしながら、ポジティブさとノリで相手に近づいていく、奏って、やっぱりすごい! 依本真帆、オーストラリアの少女と友達になるし、ホストファミリーの夫婦にも好感を持たれるし、内気な私には、うらやましいです。コミュ力は、千金にまさる! うん、がんばろう。
逆に、アンドレアはラスト近くで、やっと奏に対して、内心の不安を打ち明けられたものの、せっかくプロデビューできたバレエ団では、評価が今一歩。どうなるのでしょう。
上昇志向の強さゆえ攻撃的な、さくらと、閉鎖的なアンドレアは、孤立しがちという点で似ているように見えます。が、アンドレアの内面はかなり繊細なので、妙に心配です。
リズムに乗る表現を、印象的に伝えていますので、これはおもしろかったです。それでは。
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