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2019年2月12日 (火)

『絢爛たるグランドセーヌ』10巻(Cuvie・秋田書店)の感想

 コミック『絢爛たるグランドセーヌ』10巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 あらすじとしては、最初の玉木先生が教えるコンテンボラリーのことは、この漫画のメインであるクラシックとあまり関係がないかのようですが、創作ダンスを少しかじっていた私は、興味深かったです。むしろ、クラシックと地続きっぽいのですね。知らなかった~。脱帽です。
 興味がわいた勢いで、いつか、何かの機会で、じっくりと、クラシックバレエを鑑賞してみたいです。

 10巻のメインは、奏のバレエ留学。フランスのマルセイユへ、一人、旅立った奏ですが、ホームスティ先に、何と、あのさくらを圧倒した、ベネズエラの少女、アンドレア・メンドーサがいました。早速、奏は、アンドレアと仲良くなろう、バレエに関する話をしようと、いろいろ試みるのですが、アンドレアは英語が苦手なこともあって、怪訝そうな表情を浮かべて、突っぱねます。
 けれども、アンドレアが冷ややかな理由は、故郷のベネズエラが政情不安定なためであって、家族を気づかって、ひそかに涙を流していたのです。ゆえに、奏がうっかり日本の母へ連絡メールを忘れていたことを知るや、スペイン語で激しく怒鳴りつけ、ケンカのようになります。
 アンドレアとはそんな気まずい雰囲気であるものの、マルセイユ舞踏学校のレッスンは、奏にとって超充実! やがて、奏は曲(リズム)に乗れていないという、長らくの欠点を克服する方法を、ジャズダンスのレッスンによって見出すのでした。
 アンドレアとのコミニュケーションだけでなく、レッスンの細かい部分がわからず、「言葉の壁」に四苦八苦する、奏の悩みがとてもリアルです。
 しかしながら、ポジティブさとノリで相手に近づいていく、奏って、やっぱりすごい! 依本真帆、オーストラリアの少女と友達になるし、ホストファミリーの夫婦にも好感を持たれるし、内気な私には、うらやましいです。コミュ力は、千金にまさる! うん、がんばろう。
 逆に、アンドレアはラスト近くで、やっと奏に対して、内心の不安を打ち明けられたものの、せっかくプロデビューできたバレエ団では、評価が今一歩。どうなるのでしょう。
 上昇志向の強さゆえ攻撃的な、さくらと、閉鎖的なアンドレアは、孤立しがちという点で似ているように見えます。が、アンドレアの内面はかなり繊細なので、妙に心配です。
 リズムに乗る表現を、印象的に伝えていますので、これはおもしろかったです。それでは。

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