『作家 蛙石鏡子の創作ノート』(西川魯介・白泉社)の感想
コミック『作家 蛙石鏡子の創作ノート』(西川魯介・白泉社)の感想を申します。少々のネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
この巻は番外編も含めて収録され、完結しています。あらすじ兼内容としては、表表紙に描かれている、真面目でお堅そうだけど、そこがエロい感じのメガネ小説家、蛙石鏡子と、その押しかけ弟子のメガネ青年(というより、見かけも言動も少年に近い)キゼンの、この二人による、妄想、もしくは想像力過剰と現実のギャップが生み出す、文系コメディです。
鏡子とキゼンに、たまに編集者のまどかが関わってきますが、三角関係というほどのハードさはありません。残念!
作中に登場する、妖怪? 女神? 精霊? クトゥルフ? 幽霊? を除いて、鏡子、キゼン、まどかは全員メガネをかけていますから、少しばかり、読む人を選ぶかも。アンチ・メガネ派様には、お勧めできませんね。
マイナスポイントとしては、帯カバーによれば、「文芸エロス」と、宣伝文句が入っていますが、それを目的で読まれると、がっかりするかも。取り上げられている文学作品が、ないわけではないのですが、薄味だと思います。
だーかーら、キゼンの想像の中の鏡子のあられもない姿や、鏡子の小説の中で女性的人外にもてあそばれるキゼン、キゼンしか見えない幽霊などの姿が、びっくりするほどエッチなのです。
何せ、表紙絵を参照していただきたいのですが、あまりデフォルメのない、かっちりした絵ですから、自慰やセクハラっぽい場面のインパクトが強烈です。後味のいいエロチック・コメディとしては、上質でしょう。
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