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2019年11月15日 (金)

『石原豪人 「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター』(中村圭子 編・河出書房新社)』の感想

『石原豪人 「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター』(中村圭子 編・河出書房新社)』の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 奥付を見ますと、「2017年7月30日 増補新装版 初版発行」とありますので、この本の中では最新版ではないか、と思います。
 子供時代の記憶に、下手な写真よりも生々しく、迫力がありすぎて、きれいというよりも怖い感じの絵に、ビクビクしながらも、心惹かれて見つめずにはいられなかったことを覚えています。『エロマンガ・マニアックス』で得た情報もあり、どうやら、石原豪人の挿絵であろうと判明し、最近になって、ようやくこの本を入手できました。うれしい、ありがたい。
 読了した感想としては、思った以上にエロかったです。例えば、若きエリザベス女王が、まるで女優のようだし、ボーイズラブ系というか、耽美系の男性同士のきわどい場面(18禁とまではいきませんが)も描かれているとは!
 さらに、1970年代に流行した、世紀末的パニックものでは、年少者にはトラウマになるのではないか、と危ぶまれるほど、崩壊する世界に、恐怖し、懸命に逃げようとする人々の表情が、まさに臨場感あふれるものになっています。

 ところで、この本は画集でもあるのですが、解説書に近いです。コラムやインタビュー、石原豪人の年譜と世相の変化など、詳細に載せられているからです。
 ゆえに、私のような初心者からディープなファンにも満足できる内容かと思うのです、が、A5サイズの大きさに多くのイラストを収録している上、石原豪人の活躍分野が幅広いため、肝心の絵がちっさい!
 編集された方の労力とセンスはなかなかのものだと思いますが、できることならば、ビッグサイズの画集で見てみたいな、と思いました。これはまた、復刊ドットコム様にお願いすべきかもしれませんね。
 また、石原豪人の作品を見つけたら、購入してみたいです。それでは。

 

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