『世界史を彩った美女悪女51人の真実』(マイウェイ出版)の感想
書籍『世界史を彩った美女悪女51人の真実』(マイウェイ出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
この本は、やや小さめの変形A4サイズ、全116ページ、マイウェイムックで、構成/文 副田護だそうです。去年の年末に東京へ行った際、神保町のある本屋さんで見つけて購入しました。表紙がいきなり、ジェーン・グレイの処刑で、なかなか刺激的なのですが、内容は、ちょっとねぇ……。ゆえに、辛口レビューになりますので、出版関係者の方はお勧めできませぬ。
さて、表表紙は、宣伝文句がいろいろと。「3000人の幼児の肉体をすりつぶして作る--史上最強の媚薬で太陽王を骨抜き!」などと、あります。中身は、見開き2ページで問題の人物と事件について、多くの絵画を載せながら説明されています。
いきなり、タイトルに偽りあり。美女悪女とありますが、80、81ページはヒトラーのお話です。一応、ゲリ・ラウバルやレナーテ・ミューラーにも言及していますが、ヒトラーの性的指向ばかり述べられているではありませんか。
苦情その2、誤植が多いです。絵の説明と、読み物部分、どちらが正しい名前なの? と、戸惑い、白けてしまいます。
苦情その3、取り上げられている人物が、どの国にいつ頃いたのか、生没年など、具体的に挙げられていません。そりゃあ、古代、中世、近世頃だろうなと、推測できますが、くわしく知るためにはウィキペディアか、人名事典を引かなくてはいけないのです。この本で世界史に対する興味は起こせますが、参考にはならないと思います。
苦情その4、きれいなカラー満載なのに、絵の作者、制作年代、部分か全体図なのかの説明も、一切なし(泣)。
よいところというのは、やはり、エログロ満載で刺激的な点です。てっきり、欧米のみを取り上げているのかと予想していたのですが、中国についても、三大悪女について描かれていました。語り口調も、平易かつわかりやすいです。
だから、私は誤植とサービス不足の中身にイラっとしながらも、ドキワクしながら、あっという間に読了してしまいました。読後感は、美容院に置いてある週刊誌、もしくは、男性向けゴシップ週刊誌の、おもしろ歴史ウンチク話を読んだかのような気分でした。
(ちなみに、私、週刊女性、女性自身、女性セブン、週刊大衆、アサヒ芸能、ナックルズとかの雑誌が、大大大好きです。エッチで下品で、おもしろいから!)
この本、実際に、昔のショッキングな出来事、有名人を取り上げた、エキサイティング読み物だと思えばいいのでしょうね。それでは。
| 固定リンク | 0
« 『神さまの怨結び』(守月史貴・秋田書店)の感想 | トップページ | 『THE KING OF FIGHTERS A NEW BEGINNIG』4巻(原作:SNK 漫画:あずま京太郎 講談社)の感想 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『オプス・ピストルム ’30年代パリの性的自画像』(ヘンリー・ミラー 田村隆一/訳 富士見ロマン文庫 No.89)の感想(2023.12.02)
- 『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その4(2023.11.28)
- 『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その3(2023.11.25)
- 『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その2(2023.11.19)
- 『戦争は女の顔をしていない』(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 三浦みどり/訳 岩波現代文庫)の感想・その1(2023.11.18)
コメント