『ジョージ秋山WORLD』(ゴマブックス)の感想
『ジョージ秋山WORLD』(ゴマブックス)の感想を述べます。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
いつもの注意を申しましたが、この本自体がジョージ秋山のネタバレオンパレードです。
タイトルからすると、評論っぽいですが、作品の紹介、そして作者様自身のインタビュー風制作秘話というか、作品解説が載せられており、それ以外の中身の大半は、代表作が掲載されています。
パットマンX
ほらふきドンドン
銭ゲバ
アシュラ
浮浪雲
花のよたろう
ピンクのカーテン
ラブリン・モンロー
博愛の人
捨てがたき人々
以上が挙げられていますが、それでは、いつものとおり、いただけない点について申しましょう。
少年漫画から青年漫画、ジャンルもギャグから社会派シリアス、時代劇と、よく選ばれたと思いますが、私としては、なおも物足りない気分です。なぜなら、この作者様はムチムチした下半身というか、大腿の表現が上手だと思いますが、そういうエロ物が選ばれていないのが残念です。
さらに、『銭ゲバ』と『アシュラ』は、私、どちらもまだ読んでいませんが、最終回らしき作品が掲載されていますけれども、いいのでしょうか。超メジャーだし、私も一応内容を知っているから、いい、のかな?
それにしても、作者様の作風の幅広さ、内容の深さには驚くばかりです。
『パットマンX』は変身ヒーローながらも、ギャグで、しかも、ほのぼのと心温まる内容なのです。
『ほらふきドンドン』は、黒人みたいな! 坊さんが! 好き放題に……で、気軽に読めるギャグですが、これを少年向けにしたとは驚きです。
『銭ゲバ』は、自らの野望の頂点に立ちながら、なぜか追い詰められているかのような主人公の内面が、説明文ゼロの表情アップのみで表現され、お見事! としか言いようがありませぬ。
『アシュラ』は、内容が哲学的すぎて、私は何も言えません。ですが、あの男にはムカつきました。
『浮浪雲』、こういう淡々とした主人公は、ありなのでしょうかね?
『花のよたろう』、小学校に行って取材をしたの? と、たずねたくなるほど、子供達の言動がリアル。
『ピンクのカーテン』、青年誌向けのエロです。足フェチの方にお勧めです。
『博愛の人』、一転して、かわいい絵柄から劇画調に。ギャグ要素ゼロっぽい、重厚なお話です。
『捨てがたき人々』、倫理学にエロを加えたような、すさまじい作風。
ジョージ秋山作品のどれから読もうかと、迷っている方にお勧めです。私も、もっと読みたくなりました。それでは。
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