『まかない君』全6巻(西川魯介・白泉社)の感想
コミック『まかない君』全6巻(西川魯介・白泉社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
こちらはジャンル的には、料理漫画というか、飯テロものといいましょうか。私の持っている単行本には、1巻の表記がないのですが、好評だったのでしょうね。
主人公は、大学生の浩平で、彼が、キャリアウーマンの凛、小説家の佳乃、同じく大学生の弥生という、三人の従妹達の食事係になって、得意の料理の腕をふるう、というもの。3巻から、浩平の後輩、郷古ひとみが登場して弥生と仲良くなり(ちょっと百合っぽい)、彼女の他に、凛や佳乃の料理話も出てきます。が、大半は浩平が昼食、夕食、夜食、おやつまで、忙しい、もしくは、料理下手の弥生に代わって、まかない君になる、というわけです。
ほぼ一話完結で、浩平と弥生は1巻からして、仲の良いいとこ同士以上のような、親分子分のような、微妙な関係ですが、直接的なエロ要素はないと言っていいでしょう。
あと、作者様の持ち味でもあるのですが、凛を除いて、全員メガネをかけています。だから、メガネ嫌いさんには、お勧めできない、かな? ←いるのでしょうかね、そういう人(自主ツッコミ)。
設定はハーレム的ですが、先に申したとおり、エロくはありませぬ。
それに、浩平の手伝いをする弥生が、女子大生にしては、ちと幼すぎるのではないかと思います。
聞いたことのない素材を使って、ものすごい料理テクを披露する、といった、有名料理漫画の特徴もありませぬ。
ひたすら、浩平は、従姉達のリクエストに応えて、身近な食材をふんだんに使い、おいしそうな料理をつくり、彼女達は、「おいしい」と言いながら、それにまつわる意見やウンチクを述べたり、嘘八百話で弥生をからかってみせたりする、そういうストーリーが最後まで続きます。
そのようなわけで、ツッコミどころ満載なのでしょうが、私はこの漫画がとても好きです。
エロくはないと申しましたが、微エロ要素は多いのですよね。
従姉達が無心に食べている様子や、巨乳の佳乃の、ちょっとしたふるまいとか。
それに、居間? か食堂? で、彼女達と浩平は食事をするわけですが、背景の掛け軸に、有名な漫画、小説、ことわざや、それらのもじりが書かれていて、「ああ、これはあの漫画の……」とか、考えながら読むのが、実に楽しい。
要所要所に、作者様のユーモアっぽく、有名作品のタッチがうかがえ、クスリと、笑わせてもらっています。
それに、この漫画、読書中でも実用に役立ってくれました。
1巻のパンブディング、2巻のツナとなめたけのそうめん、オニオントマトチキンラーメンは、なかなか美味でした。
惜しむらくは、私の好きなソバのエピソードがなかったことでしたが、それでも、特にスパゲティ好きさんには役立つ、コメディ&実用的な漫画です。それでは。
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