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2021年9月14日 (火)

『新版 人生の指針が見つかる 座右の銘1500』(別冊宝島編集部)の感想

 宝島UGOI文庫の『新版 人生の指針が見つかる 座右の銘1500』(別冊宝島編集部)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意下さい。

 私がこの本を購入したのは、いきなり、身内二人が闘病生活を始めたからです。やるべきことは、わかっていますし、落ち着かなくてはいけないと、頭では理解していても、やはり不安。なので、正論異論、古今東西の名言で、平静さを取り戻そうとしたのです、が。

 すばらしい名言が(しっかり数えていませんが)1500もあるにも関わらず、読後感は、極めて薄味。ボリューム的には満足ながらも、ベーシックなコンソメに、中華の味わいと、日本の薬味や出汁を入れて、万人受けをねらったために、返って印象が薄れてしまった、残念なコスモポリタン・スープというべきでしょうか。

 内容は、タイトルでほぼおわかりかと思いますが、古今東西の有名人の言葉を列挙したものです。本当に、聖書や詩・小説から取ったものから、会話まで、何でもあり、なのです。
 どういう価値基準で、これら名言は選ばれたのでしょうね? 聖書とニーチェの言葉って、違和感以外の何物でもありませぬ。
 さらに、数ページおきに、有名人の生涯や、これまた、名高いことわざについて親切に解説されていますけれども、申しわけありませんが、いっそう内容を雑然とした印象にさせ、逆効果ではないでしょうか。
 もちろん、1500人の言葉ではなく、坂本龍馬など、何度も取り上げられています。が、たとえば、「坂本龍馬 P〇 P△」といった、索引はありませんし、タイトルや出版社という出典は、細かく記載されているのに、翻訳者の名前がないし、何だかいろいろと、もう一歩の内容でした。
 それでも、まだ読んだことのない作品を、少しでも知ることができたメリットは大きいと、思います。
 私は三木清と、ラ・ロシュフコーが印象に残りました。
 あいにく、心のよりどころになる効果は今一歩でしたが、作品との出会いという点では、よい本だと思います。それでは。

 

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