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2021年9月 9日 (木)

『政宗さまと景綱くん』3・4巻(完結)(重野なおき・リイド社)の感想

『政宗さまと景綱くん』3・4巻(完結)(重野なおき・リイド社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 4巻にて、見事に完結いたしました。正直言って、少し寂しいですけれど。それでも、伊達政宗と片倉景綱という、「最高の主従」(4巻の終わり、作者様の言葉より)が、しっかり描かれていて、東北地方における戦国時代を学び、知る上では、とても役立つと、私は思います。
 あらすじとしては、3巻が、伊達軍圧倒的不利の中での人取橋の戦いの経緯と、ライバルたる芦名家の動向(世継ぎ問題と、佐竹家の介入)、西の豊臣秀吉のすさまじい圧力、伊達軍と最上義明の衝突を回避すべく、義姫の奮闘、ですね。
 そして、4巻が摺上原の戦いで、最大の敵であった、芦名家との決着。落ち着いたと思いきや、政宗の弟、小次郎との賭けた戦い。ようやく、大権力者となった豊臣秀吉に、政宗は誤解を受けないように臣従し、関ヶ原、大坂夏の陣と、激しく戦いますが、景綱はついに……。巻末には、(何だか愛されキャラになったっぽい)政宗の老年の様子が。

 戦国の戦の模様という意味なら、3巻がお勧めですね。犠牲者を出し、疲労困憊する、伊達軍の劣勢から、芦名・佐竹連合軍の意気軒高ぶりまで、ギャグとはいえ、平等かつ生々しく描かれています。
 4巻は、私のお気に入りだった、金上盛備の討ち死にが、史実でしょうが、やっぱり残念。天下人の秀吉の不興を買わないよう、懸命に考えをめぐらせる、伊達家の人々のモノローグが、否応なく緊張感を高めていきます。やはり、最高権力を握った以上は、兄弟で真剣勝負をする悲劇は、まぬがれないのかなあ。3巻で、あれほど強かった義姫が、ひどく哀れなことになってしまいました。
 他に、景綱の息子、左門が重綱と名乗り、見かけも性格も父そっくりなのが、実に楽しいです。大坂夏の陣で、何と、『真田魂』に登場する人物との激突を暗示しています。日本史を多角的に見られて、やっぱり、作者様の作品を買ってよかったなあ、と思いました。
 私は、原田宗時のファンですから、4巻はやや惜しい感じですが、それでも、気取り屋で憎たらしいだけの印象だった景綱を、最後の方では切なく思わせていただいた、作者様のストーリーと演出に脱帽です。本当に、ありがとうございました。それでは。

 

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