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2021年10月31日 (日)

『アンネの日記 増補新訂版』(アンネ・フランク 深町眞理子=訳 文春文庫)の感想(追記)

 前回の『アンネの日記 増補新訂版』(アンネ・フランク 深町眞理子=訳 文春文庫)の感想の追記分です。こちらもネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 訂正箇所は、私のイニシャルです。「K・K」ではなく、「M・K」でした。ごめんなさい。最近、わけあって、昔のペンネームを名乗っておりましたので。
 もう一つ、私が驚いた部分は、日記の割と初期の方で、アンネ自身が後日に加筆している箇所です。やはり、単なる辛辣な批判屋ではなくて、自主批判というか、完璧を求めていたような気がします。
 他に、翻訳者様の工夫かもしれませんが、初めのうちは、パパ、ママと書いていたのが、中盤以降は、おとうさん、おかあさんになっています。同時に、アンネ自身の内面について語る場面も多くなり、最終章では、自らの二人に分裂しているかのような内面にも気づき、そのような自分とどうやって向き合っていくべきかと、重要な問題を掲げたところで、残念ながら、終わりました。

 私はアンネが好きで、ひいき目なのは充分承知していますが、やはり、彼女は相当有能で、年齢以上に聡明だと思います。
 だからこそ、今になって、この本を再読してみても、アンネをただの思春期病の少女とは感じられず、人種や時代の違いを越えて、日記を通じてもっと彼女の考えを知りたい、共感したい、私もまた、日記に限らずとも、日々の生活や思いを書きつづりたいと願っているわけです。
 確か、ある図書館で、『アンネの日記』やその関連書籍が切り裂かれた事件がありましたね。
 犯人は、まったく愚かです。
 日記やアンネが気に入らないとか、偽書であると思うのなら、きっちりした論文にすればいいのに、表現物を破損するなんて、自分の無能を証明しているようなものです。
 他の国でも、このような嘆かわしい事件が起きているのでしょうか?
 ごめんなさいと、謝罪しながら、私はまた日記を繰り返し、読むことにいたします。それでは。

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