『絢爛たるグランドセーヌ』12巻(Cuvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』12巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
およそ2年ぶりの感想で、どうもすみませぬ。ごめんなさい、奏。
おもしろくなかったわけではなく、むしろ、その逆。私の予想を、はるかにはずした展開でした。
私的な用事が重なって、アップするタイミングを逃していたわけですね。
YAGP編ですね。つまり、ニューヨークでの本選突入。
11巻ラスト近くに登場していた少女は、紫萱(ズーシュァン)という中国出身者。手間がかかりますので、紫萱と書きますね。彼女は何と、ニコルズ先生の教え子!
で、12巻のあらすじは、奏はニコルズ先生と再会します。マルセイユ留学の成果を示して見せますが、ニコルズ先生は、なかなか辛辣な評価。そうこうするうちに、紫萱がやって来て、奏はニコルズ先生に特別に目をかけられていたわけでなく、何人かの教え子の一人にすぎないことを思い知らせれます。
大ショックを受ける奏。それは、レッスンにも現われ、予選では必死に気力を奮い立たせて踊るという、今までで一番苦しいステージに。けれども、滝本先生、配信を見ていたさくらは、高評価。一方、絵麻、翔子は、奏の目から見て、上々の出来。紫萱も、またしかり。僅差勝負の予選、結果は、どうなる?
私は最初に、「うわぁ……」と、思いましたね。そりゃあ、ニコルズ先生がクセ者なのは、滝本先生のモノローグで知っていましたけれども、将来性のある少女を指導するという形で、奏を利用していたとは!
もちろん、ニコルズ先生の立場としては、金の卵を発掘する、そして、自分の跡継ぎを育てていって、バレエ界を盛り立てたいのであって、悪意のかけらもないのでしょうが。なまじ、天才であるだけに、怖いなあ。
奏はもちろんですが、同じオーロラを踊る、絵麻と翔子の異なった個性の表現も、おもしろかったです。
加えて、紫萱は、見かけよりもハイテンションっぽい性格のようで、彼女は、「パリの炎」を踊りましたが、足を痛めているのを感じさせないものでした。私も興味を持って、YouTubeで視聴してみましたが、正直言って、女性版「パリの炎」が一番好きですね(おいおい)。
あらすじでは省略しましたが、ラスト近くで、審査員の立場として、スミス先生は、何人もが演じるオーロラのVaには、「こなしている」だけのオーロラには、うんざりしてくると、心の内でつぶやくのですが、翔子には高評価。一方、ガレル先生は、巨大コンクールの審査に、クタクタ。誰も落選させたくないが、僅差の中で評価して選考しなければと、モノローグで語るのでした。
奏達も大変ですが、審査員側も苦労しています。こういうリアリティーが、この漫画の魅力ですね。お勧めいたします。それでは。
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