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2021年11月27日 (土)

『ヘンな日本美術史』(山口晃・祥伝社)の感想

 書籍『ヘンな日本美術史』(山口晃・祥伝社)の感想を申します。ネタバレは含まれていますが、美術史ですから、実際に見ていただいた方が、わかりやすいかと思います。

 さて、この本ですが、実は。
 読むのが、なかなか大変でした!
 これは、相性が悪いとしか、言い表しようがないのですが、どうも作者様の文体と、私の読書リズムが合わないらしく、おもしろいはず、興味をそそられるはずなのに、イライラが先立ってしまい、内容を十分に知ることができませんでした。
 内容は、タイトルのままです。
 特に、残酷描写などはありませんでしたから、通常の日本美術史に飽きている方や、もっと深く広く知りたい方には、お勧めできるでしょう。
 単に、おもしろいもの大好きで、浅学な私のようなタイプには、合わなかったのだと思います。

 それでも、私が興味をそそられたのは、二つ。一つは、雪舟に関する、「第三章 こけつまろびつの画聖誕生-雪舟の冒険」。学校の授業もそうでしたが、博物館や美術館の展示でも、雪舟は天才、別格、第一人者と説明されていますが、この賞を読めば、目から鱗が落ちますよ。そうして、変に身構えずに、もしかしたら、ニヤつきながら、雪舟の絵を楽しむことができます。
 二番目は、「第五章 やがてかなしき明治画壇-美術史なんかクソくらえ」、これが私的に、もっともおもしろい箇所です。幕末から明治初期までの政治的混乱は、画壇にも影響し、画家や浮世絵師達は四苦八苦していたのが、わかります。西欧に似せても、似せられなくても、どちらもバカにされるとは、描く側にとって、まさに地獄。この未曽有の危機を、画家達は懸命にしのぎ、あるいは、独自の世界を歩むこともありました。特に、私が注目している月岡芳年について、くわしく説かれていて、ありがたかったです。
 あれ? 批判していたつもりが、私、ほめていますね。そういう内容なのです。また、何度か読み直してみます。それでは。

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