『信長の忍び』17巻(重野なおき・白泉社)の感想
四コマ漫画『信長の忍び』17巻(重野なおき・白泉社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
こちらのシリーズは、何度も「安定のおもしろさ」と、お伝えしているかと思いますが、今回も予想を裏切って、期待以上の魅力を与えてくださいました。作者様に、大感謝です。
大まかなあらすじとしては、バリバリ活躍する秀吉との待遇の差に不満を抱いた荒木村重が、ちょっとしたきっかけで、ついに謀反を起こしてしまいます。荒木は広大な領地を有する重臣でしたから、その影響力は絶大で、反信長派は勢いづき、織田軍は大ダメージ。このエピソードは、次巻へ続きます。
17巻のメインは、最強の村上水軍と、鉄甲船が完成した、九鬼水軍による、第二次木津川口の海戦! これは、日本史の本によっては、たった一行で終わるのですが、かなり長いお話です。圧倒的な強さを誇るはずの鉄甲船の弱点、さらには、海の王者たる村上水軍の様々な武器が、これでもか、と。
さらに、どうしても狂言回し的立ち位置になってしまう、千鳥と助蔵についても、あらすじでは省略しましたが、樋口兼続に対して、千鳥は二人のきずなについて語ります。
もう一つ、戦においては、ほぼ最強の千鳥ですけれども、実は泳げません。それなのに、海戦に参加し、大ピンチとなったところを、助蔵が助けて……と、二人の仲が、ちょっとだけ進んだ?
とにかく、鉄甲船圧勝のはずが、村上水軍の対抗策には感心してしまいましたね。九鬼嘉隆もまた、村上側の戦いぶりや操船技術を賛嘆しています。
荒木村重のエピソードですが、荒木がギリギリまで謀反を気取られないよう、いろいろと工作をするあたり、笑わせていただきました。
それから、荒木の息子の村次と、明智光秀の娘が夫婦だったとは。荒木反逆後に二人は別れますが、謀反は連鎖していった、のでしょうか。運命の不思議を感じます。
私は今でも茶道を楽しんでいますので、その達人や愛好者は、ついつい、ひいきして見てしまうクセがあるのですけれども、荒木村重だけは例外なのですよね。
そんないやな茶人を、作者様は今後、どのように描いていただけるのでしょうか。またまた、期待させていただきます。それでは。
ご協力お願いします。
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