« 『信長の忍び』18巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』12巻(Cuvie・秋田書店)の感想 »

2021年11月14日 (日)

『はっぴぃ★ゆめくら』(黒岩よしひろ・双葉社)の感想

 コミック『はっぴぃ★ゆめくら』(黒岩よしひろ・双葉社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますが……まあ、ごくシンプルなお話です。
 2本のシリーズが掲載されています。前半は「おきらく ごくらく はっぴぃDaysシリーズ」、あらすじとしては、エロ作家志望の22歳の青年、昇太が、ひょんなことから、女性ばかりが入居しているマンションの管理人になり、血のつながらない妹の姫乃、隣室に住むなずな(昇太の本命)、色気過剰気味の真星小枝、謎めいたゴスロリ少女、霧院音理夢といった入居者の面々と、エッチなハプニングに巻きこまれていく、とういうもの。
 後半は「ゆめくらシリーズ」。一人暮らしをしていた若いサラリーマン、立郎の家に、父の知人である三姉妹が押しかけ居候。見かけが悪い彼女達は、性格もまた、だらしなく、立郎は、うんざりしています。そんな日々を送るうち、夢っ娘くらぶというイメクラの名物三姉妹にはまり、しかも彼女達全員から好意を持たれ、エッチな特別サービスを受けさせてもらえるという、幸せ展開に突入! しかし、帰宅すれば、また例のダメ三姉妹がいるのです……。
 はい、両作品とも、男性主人公幸せバンザイ! というご都合主義のオンパレードです。前者で、昇太は、成人指定漫画ほど露骨ではありませんが、しっかりセックスしています。なずなの正体が人間ではないらしい、というところで、作者様か出版社の都合なのか、終わっているのが少し残念。まあ、最後のページで、大体、予想がつきますが。

 後者も同じ、平凡な男性に、超かわいくて、それぞれに個性のある三姉妹が、至れり尽くせりにご奉仕してくれるわけです。立郎のどこにそんな魅力があるのか? 姉妹で張り合うのは、辛くないのか? といった細かい心理描写や、前髪を下ろしたり、メガネをかけたりする程度で、美形ぶりを隠せるのか? という細かいツッコミは、無意味です。こちらは、合法風俗営業らしく、立郎が気持ちよく放って帰宅したら、地獄の三姉妹が待ち構えていて……ほぼこの同一パターンです。
 だから、男性エッチ漫画に興味のない女性(大半は、そうですよね)には、あまりお勧めできません。なのに、なぜ、私はここで紹介するのかといいますと、女性達の表情やしぐさが、ひたすらかわいいからです。ものすごく疲れた日に読むと、ほっこりした気分になれます。エロさは、私はほとんど感じないのですが、男性うけはするかも。
 私的ベストシーンは、前者の「第4話 姫乃の思い」に描かれた、全裸M字開脚した姫乃が困ったような、うれしいような、上気した表情ですね。本当に、この作者様は、ツインテールの女の子を描くのが上手だと思います。
 しかしながら、この本は2006年の発行で、作者様は惜しいことに、お亡くなりになっておられました。ご冥福をお祈りいたします。
 機会があれば、また別の作品を取り上げてみたいです。それでは。

 


ご協力お願いします。

漫画・コミックランキング

| |

« 『信長の忍び』18巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』12巻(Cuvie・秋田書店)の感想 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 『信長の忍び』18巻(重野なおき・白泉社)の感想 | トップページ | 『絢爛たるグランドセーヌ』12巻(Cuvie・秋田書店)の感想 »