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2021年12月に作成された記事

2021年12月30日 (木)

『毎日かあさん カニ母編』(西原理恵子・毎日新聞社)の感想

 コミック『毎日かあさん カニ母編』(西原理恵子・毎日新聞社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。さらに、まさかとは思いますが、作者様や出版に関係された方、この作品と作者様のファンの方は、読まれないことをお願いいたします。
 なぜなら、私はこの作者様の唯一、かもしれない、アンチファンだからです。
 ゆえに、必要以上に辛辣な表現になるでしょうが、ご了承ください。

「アンチファンなら、どうして、この本を持っているの?」ですか?
 夫の所有物で、居間に置いてあったから、手に取ったのです。
 ふだんなら、読まないところを、ちょいと学術的な本を読んでいて、疲れていたのですよ。
 それで、読みました。読み終えました。
 大後悔。
 ああ、やっぱり、不満しか残りませぬ!

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2021年12月29日 (水)

『水子霊の呪縛』(小林薫・監修 斎・ぶんか社)の感想

 コミック『水子霊の呪縛』(小林薫・監修 斎・ぶんか社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
「強制除霊師・斎」シリーズの第11冊目です。収録作品は5作と、書き下ろし番外編。
 身の毛もよだつような、怖いお話はあまりなく、不思議で神秘的な感じがしました。
 斎さん自身の、切ない話も、まあニュアンスは薄目だったような? もっとも、そうでなければ、悲しすぎますが。
 それでは、簡単に感想を。

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2021年12月26日 (日)

『心の森に花の咲く』(永島慎二・大都社)の感想

 コミック『心の森に花の咲く』(永島慎二・大都社)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 手元にあるのは、昭和53年10月20日発行の初版です。収録作品は8編で、プレイコミックから少年ジャンプ、高一コースと、掲載誌もバラバラという、おもしろい単行本です。
 けれども、作者様の個性らしく、ジェットコースター的ストーリー展開や、血まみれの格闘といった、漫画のお話及び演出でありがちなものはなく、個性はありながらも、ごく普通の(若い)一般人が、平凡(平穏というべきか)な生活の中で悩み、あがき、時には誰かと触れ合う、という、淡々としながらも奥深く、リアリティーを感じさせながらも、不思議なロマンティックさに彩られています。
 それでは、1編ずつ、簡単に感想を。

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2021年12月25日 (土)

『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想

 コミック『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 発行年度が、昭和55年なので、絶版なのでしょうか。札束や車のデザインなど、古臭さは否定できませんが、それにしても、おもしろい作品でした。
 主人公は、26歳の香取憂子。あらすじとしては、一人暮らしの平凡なOLだったはずが、銀行強盗の巻き添えになったことから、自分の平穏な生活に疑問を持ちます。そして、在日アメリカ兵士のジョーと知り合って、ひそかに危険な銃火器類を入手します。
 彼の死後、暴力団幹部の由木勇人とコンビを組んで、抗争に参加。間もなく、憂子は由木ともども、暴力団組織から命をねらわれることになり、対立する組織、一般人、警官まで巻きこんで、窃盗、暴力、殺人といった犯罪を重ねつつ、北海道を目指します。そんな憂子を追跡する警察の中には、地獄の速水と恐れられる、凄腕刑事までいるのでした。
 というわけで、ストーリー自体はシンプル。2巻以降は、暴力と流血シーンが、これでもかとばかりに続きます。
 ジャンル的には、ハードボイルド系と呼んでいいのでしょうね? ただ、今まで読んだ中で、女性はせいぜい、主人公の男性のお飾りやパートナー、セックスっぽいサービスシーンの添え物でしかないはずですが、この憂子は、由木に銃火器を与えるだけでなく、あれやこれやとアイディアを出してピンチをしのぎ、時には信頼しているゲイボーイを裏切って殺しまでもして、自分の目的を果たそうとします。タイトルのとおり、まさに夜叉!

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2021年12月18日 (土)

『傳説と奇談』全18集(山田書院)の感想

 書籍、それとも、豪華版雑誌と呼ぶべきか、『傳説と奇談』全18集(山田書院)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 何と、発行年度が昭和38~40年という、半世紀以上前の、カラー写真や折り込み色絵、白黒写真つき、A4サイズ版の本です。
 ページ数は、80ページ(第17集 元禄忠臣蔵)がもっとも少なくて、最大は142ページ(第18集 旅と伝説)、他はおおよそ112ページで、かなり厚めの本文紙が使われております。2か月間、通勤と昼食の合間に読んでおりましたが、なかなかの重さです。
 これは本のせいではないのですが、経年劣化で、残念ながら、カラー写真は、もやっとした、妙な色合いです。
 そして、18集の内訳は、次のとおり。

 第1集 東京篇/第2集 近畿篇 1/第3集 伊豆・東海篇/第4集 関東篇/第5集 四国・山陽篇/第6集 近畿篇 2/第7集 九州篇/第8集 東北・北海道篇/第9集 北陸・近畿篇/第10集 中部篇/第11集 中国・近畿篇/第12集 中部・北陸篇/第13集 東北・関東篇/第14集 総合篇 1/第15集 総合篇 2/第16集 特別号 城と古戦場/第17集 特別号 元禄忠臣蔵/第18集 特別号 旅と伝説

 はーっ、ただ文字を打つだけでも、大変ですわ。
 日本各地の『傳説と奇談』を集め、掲載した本というわけで、大いに期待が持てるでしょう?
 これで、私の日本史&地理ダメっぷりも改善されるかなあと、浮き浮きしながら、読み始めたわけですよ。
 そして、2か月かかって読了した今。
 現在も、この出版社と、編集や執筆に関わった方が、この辺境(偏狭)ブログに訪問されることがあるでしょうか?
 あいにく、批判的なことを書きますので、どうぞ、ご了承ください。

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2021年12月11日 (土)

『神の左手 悪魔の右手』(楳図かずお・小学館)の感想

 コミック『神の左手 悪魔の右手』(楳図かずお・小学館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
 今回、残念ながら、借り物の本でしたので、記憶に頼っております。大きな間違いはしていないかと思いますが、あまりにひどい場合は、コメント欄でご指摘くださいますよう、お願いいたします。

 一度、感想をアップしたいと願いながらも、ずっと避けておりました。
 漫画の感想として、非常に難しい部類に入る作者様として、私は、永島慎二、安部愼一、そして、この方であると、思っているからです。
 なぜなら、楳図かずお作品は、怖いという感覚に訴えかけてきますからね。
 だからといって、「怖いものは、怖いの!」では、感想になりませんから、あのおぞましさ、意外性と混然一体となった、逃げたい、でも、ふり返らずにはいられない、あの恐怖の魅力を文章化してみたいと、思っておりました。
 私ごときで、うまくいくかなあ。

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2021年12月 4日 (土)

『完全版 ウイグル無頼』(横山光輝・小学館)の感想

 コミック『完全版 ウイグル無頼』(横山光輝・小学館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 収録作品は、タイトルと同じ『ウイグル無頼』と『刺客伝』の2編です。
 作者様とファンの方に申し訳ないのですが、実は私、300ページ近い長編の前者よりも、50ページに満たない短編の後者の方がお気に入りです。
 その理由は、「ウイグル無頼」は、ちゃんとストーリーに起伏もあるのですが、主人公ヘロデに今一歩、魅力を感じないのと、ラストが拍子抜けするほど呆気なかったためです。あらすじとしては、一匹狼の青年が、自らの情念のままに、戦いを挑み(やたらと強い)、周囲の持ち上げもあって、あれよあれよと出世して王位にまでつくのですが……というお話。
 さらに、「ウイグル無頼」には、印象的な女性が二人もいます。ハードボイルド系の作者様にしては、珍しいのではないかと思いますね。
 一人は、表紙にも描かれている、盗賊団の女で、ヘロデと情を交わし、彼も憎からず思っていたようなのですが、名無しなのですよね。惜しいなあ。
 もう一人は、ある王国の女王で、険がなくなった、曹操の姉みたいな顔立ちです。美女ではありますが、彼女の情け容赦のなさは、大勢の敵を殺しまくるヘロデよりも怖いのではないかと、感じられてなりません。
 ウイグルの、風変わりで、時としては冷酷な習慣やおきて、人々の価値観を描きたいのか、それとも、ヘロデの自分探しの方なのか、よくわからない点も、少し残念に思われます。

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