『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想
コミック『夜叉』全3巻(作:東史朗 画:川崎三枝子 芳文社)の感想を申します。いくつかのネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
発行年度が、昭和55年なので、絶版なのでしょうか。札束や車のデザインなど、古臭さは否定できませんが、それにしても、おもしろい作品でした。
主人公は、26歳の香取憂子。あらすじとしては、一人暮らしの平凡なOLだったはずが、銀行強盗の巻き添えになったことから、自分の平穏な生活に疑問を持ちます。そして、在日アメリカ兵士のジョーと知り合って、ひそかに危険な銃火器類を入手します。
彼の死後、暴力団幹部の由木勇人とコンビを組んで、抗争に参加。間もなく、憂子は由木ともども、暴力団組織から命をねらわれることになり、対立する組織、一般人、警官まで巻きこんで、窃盗、暴力、殺人といった犯罪を重ねつつ、北海道を目指します。そんな憂子を追跡する警察の中には、地獄の速水と恐れられる、凄腕刑事までいるのでした。
というわけで、ストーリー自体はシンプル。2巻以降は、暴力と流血シーンが、これでもかとばかりに続きます。
ジャンル的には、ハードボイルド系と呼んでいいのでしょうね? ただ、今まで読んだ中で、女性はせいぜい、主人公の男性のお飾りやパートナー、セックスっぽいサービスシーンの添え物でしかないはずですが、この憂子は、由木に銃火器を与えるだけでなく、あれやこれやとアイディアを出してピンチをしのぎ、時には信頼しているゲイボーイを裏切って殺しまでもして、自分の目的を果たそうとします。タイトルのとおり、まさに夜叉!
恐らく、男性向け雑誌に掲載されていただろう作品ですので、憂子のヌードは多いです。表紙も相当エロいですが(うぅ、おかげで通勤時に読めなかった)、各話の扉絵も、やたらと脱いでいます。
けれども、ストーリーが殺伐とした逃走劇ですので、男性の実用向けになる、のかな?
私のような、お尻大好き派には、にやけてしまう絵がいっぱいですけどね。丸くて、上向いていて、ぷりっとしていて、本当にいいお尻です。今まで読んだ漫画家様の中で、女性のお尻描写では、この方がトップですね。
そのようなわけで、ヒロインが大活躍する、珍しいハードボイルド漫画でした。また、川崎三枝子作品を見つけたら、読んでみたいです。それでは。
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