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2022年1月10日 (月)

『影御前』『影御前 失われた川』(小林薫・朝日新聞出版)の感想

 コミック『影御前』『影御前 失われた川』(小林薫・朝日新聞出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 このシリーズは4冊あって、私はすべて読了していたのですが、こちらにまだアップしていなかったみたいですね。すみませぬ。
 そこで、まず、№1と№2の感想について申し上げます。

『影御前』は2009年、『失われた川』は2012年の発行です。前者は短編7話、後者は6話が収録されていて、登場人物は作者様と、そのアシスタントで本業が小説家の(仮名)桐生仁美さん、そして、作者様の守護霊であり、自然霊(これは割と特殊だそうで)の、白拍子の姿をした通称「影御前」。桐生さんと影御前が、作者様の霊的ピンチを助けたり、助言したり、はたまた、一緒に行動して……というもの。どれからでも読める、親切仕様です。
 いただけない点は、私的に、特にないのですが、摩訶不思議、時には感動するエピソードもあって、味わい深い反面、「身の毛もよだつ怖さ」という意味では、少々物足りないかも?
 ちょっと怖い、ドキッとする場面はありますよ。でも、怖くて眠れないほどではないですね。
 なので、あらゆる恐怖漫画が受け付けられない方と、背筋が凍るようなお話が読みたい方には、不向きかと思います。

 さて、「影御前」の方ですが、同じ作者様の斎さんシリーズと異なって、いつも微笑している桐生さんの、穏やかで、ほわほわした雰囲気に驚かされ、やや拍子抜けしておりましたが、しっかりと、守るべきことは守り、影御前からの助言を作者様に伝えています。ちなみに、作者様は霊感がなくて、御前のことがまったくわからない方です。
 私としては2話のパワーストーンのお話と、第6話の建物風水、第7話の伊勢参りが印象に残りました。パワーストーンの清め方という実用的なお話から、桐生さんが悪霊のようなものと戦った経験と、なかなかハード。6話は、マンションの風水ですが、参考になります。7話では、伊勢の外宮におられる風の神様(なかなかイケメン)に、作者様と桐生さん、影御前の一同が見初められ、話しかけられ、少しおまけをしてもらう、ちょっと、うらやましくも、ハートウォーミングな味わいがあります。
『失われた川』、第8話が6話の後日譚です。ちょっとしたリフォームが、風水的な問題を、さらに悪化させる結果に。怖いですが、影御前は、入居者を助けてあげられないそうです。第10話で、作者様の過去生が判明? そのお方の要望に従うあたり、作者様は見えないといっても、霊的に鋭い人かもしれません。第12話は表題作で、都内の美しかった川が弱り果てていく過程は、私も辛かったです。せめて、身近にある川や田んぼなどを大切にしていこう、ゴミを散らすなど、もってのほかと、ごく当たり前のことならが、痛感いたしました。お勧めいたします。それでは。

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