『人間劇場』(永島慎二・朝日ソノラマ)の感想
コミック『人間劇場』(永島慎二・朝日ソノラマ)の感想を申します。ネタバレが含まれていることに加え、作者様や作品に対して、やや辛辣な表現もあるかもしれません。熱烈なファンの方には、不向きかと思います。ご注意ください。
この本は、7話が収録された、短編集です。老若男女のそれぞれ異なる人生模様が描かれていると、私が想像してしまうようなタイトルなのですが、割と刑事ドラマっぽいお話が多くて、あてがはずれました。
それから、作者様の個性なのか、あるいは昭和という作品(発行年は昭和42年!)の特徴なのかもしれませんが、死ネタが多く、厳密には後味がいいとはいえませんね。
もう一つ、私的に一番の不満なところは、やっぱりと思いましたが、相変わらず、女性に魅力がありませんね。清純かつ男性に従順か、お母さんタイプばかりですね。
収録されているのは、次のとおり。
第1話 白いバラ
第2話 月の下の一人
第3話 裏街
第4話 夏の終り
第5話 はえ
第6話 おふくろ
第7話 いしだたみ
では、いくつかのあらすじと、感想を述べます。
第5話 はえ 働いている青年が、うるさく飛び回るはえを追い回すうちに起きた悲劇ですが、彼の動きがリアルです。実際に、モデルを使ったり、作者様は実際に見たりしたのでしょうか。
第7話 いしだたみ 病気療養中の一人ぼっちの少年は、いしだたみに、人の顔のような汚れ、もしくは模様を見つけ、誰なのかと興味を持つうちに、大人となって、というお話。青年が偶然出会った老人によって、物語られるわけですが、この老人は何者? 達観しているところが、自然なような、わざとらしいような?
第4話 夏の終り これは、有名な青春純愛悲劇の小説を、ほぼ忠実に漫画化したような作品です。なぜなら、ヒロインの名前が、同じですから。ヒロインよ、もっと運命にあらがわないか! そして、坊っちゃんへの恋に対して、久坂葉子のごとく、全力で当たった上で、砕ければよかったのに。
第2話 月の下の一人 私の一番のお気に入りです。道を踏み外してアウトローになっていく息子と、貧しい家で一人暮らす父親。それでも、父子のつながりは続いているわけです。悲しいけれども、救いはあるような。
簡単ですが、こういう感じですね。それでは。
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