『スーパーレディ魔子』(笠間しろう・太田出版)の感想
コミック『スーパーレディ魔子』(笠間しろう・太田出版)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
エロマンガ・マニアックス(太田出版)で、作者様のことが紹介されていましたが、この度、『スーパーレディ魔子』をようやく入手できました。
『スーパーレディ魔子』とは、1968~1970にかけて、週刊漫画アクションに連載されていたものです。
なお、この本は、「モンド・エロチカ」というサブタイトルがついており、米沢嘉博氏(!)が、シリーズ全体を監修しているのだそうです。
編集部が『スーパーレディ魔子』をセレクトしたのですから、残念ながら、全作品を掲載されていません。
最終回は、エロマンガ・マニアックスに載っており、同じ出版社から出ているとはいえ、ちと首をひねる構成です。
けれども、いただけない点はそれくらいで、私はこの漫画を、なかなか楽しめました。
全作品、一話完結スタイルです。登場人物は、謎の仙人から、並外れた体力及び知力を授けられた若い女性、桜魔子が、美女好きの私立探偵、椿五郎とコンビを組んで、様々な事件を解決していく、というもの。
一応、五郎は魔子を恋しているのですが、美女の誘惑にさからえず、デレデレしているうちに、敵のわなに、はまってしまうというパターンが多いです。魔子も、怪力を発揮するものの、こちらも、イケメンというより、芸術家のほめ言葉やロマンチックな雰囲気に、つい流されてしまうので、どちらも、どっこいどっこいですね。
魔子が美人であるがため、彼女の体目当てという悪人も多いですが、魔子や他の女性のヌードは、思いのほか少なめです。それでいながら、私は作者様の、いわゆるエロ劇画を入手して読んでいるところですけれども、アメリカン・コミック的な描き方で、おもしろいです。
何よりも、各話の第一ページというか、扉絵が、実にきれい! 着衣でもセミヌードでも、バッチリ決まっていて、私は、「1970年完結なら、ちょっと古い作品だな」と、予想しておりましたが、一向に古臭さを感じさせません。作者様、申しわけありませんでした(精神的土下座)。これは、すぐれたセンスと画力だと思います。
私の一番のお気に入りは、「戯れのファンタジー」という作品ですね。全裸、縛り(!)、謎の怪人集団、二人きりで遭難という、短いページでエロネタてんこ盛り! なのに、脱力のオチなのです。
また、作者様のエロコメディ系の作品が見つかれば、読んでみたいですね。お勧めいたします。それでは。
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