『極悪美女軍団 卍(まんじ)』(作:滝沢解 画:川崎三枝子 徳間書店)の感想
コミック『極悪美女軍団 卍(まんじ)』(作:滝沢解 画:川崎三枝子 徳間書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
「卍」と名乗る、銃火器を扱い、強面の男性にも引けを取らない、リーダーの忌子(いみこ。前回の『夜叉』に続いて、親を恨みたくなる名前ですね)、メッシュ、つぶら、タンク(モヒカンの巨漢。美女というには?)過激な女性四人グループを主人公にした漫画です。
ただ、彼女達の敵は、権力者、治外法権の持ち主、暴力団といった、反社会的な立場にある人々で、東京地下をねぐらにしています。
収録されているのは、「戦場1 修羅狩り」というタイトルで、「戦場6」まで。一話完結で、どちらから読んでもわかります。
いただけない点を挙げますと、短編集ゆえに、肝心な卍のバックボーンが見えてきません。一番目立つ、美形の忌子とタンクを除いては、彼女達の性格の違いや、何よりも、なぜ悪人退治のようなことを始めたのか、まったく説明されていないのが残念。
さらに、欲を言えば、彼女達は抜群のチームワークで結ばれていますけれども、いきなり四人がそろったわけでないでしょうし、それぞれの内面描写も欲しかったところです。
あと、最後の「戦場6 新標的を狙え!」では、単行本掲載の都合なのか、打ち切りなのか、「あたしたちの戦いはこれからだ!」的になっているのは、ちょっとだけ後味が悪いです。
しかしながら、悪人が、半裸、あるいは全裸の(掲載されたのは男性向けの雑誌だからかな?)美女によって、むごたらしく処刑される、そんなスプラッター系勧善懲悪アクションを読みたい方にはお勧めですね。
アクション系漫画は、ほぼ男性が主役で、女性は添え物かお色気担当だし、たまにある女性メインのアクションは、やっぱり、色物、際物になる場合が多いから、ここまで暴力的で、容赦ないグロ満載なのは、私的にスカッとしました。
もしかして、鮮血まみれで、切断、千切れなど残酷シーンまみれなのは、他の格闘や世紀末系漫画よりも、いっぱいいっぱいかもしれませぬ。
だから、私は最後の作品以外、この漫画のお話は皆、好きですね。
特に、衝撃的な始まりの「戦場1 修羅狩り」と、東京地下で絶対絶命の卍が、思いがけない仕掛けを打つ「戦場4 人魚が出て来た日」がお気に入りです。
私的に、(良い)お尻シーンが少なめですが(泣)、お勧めいたします。それでは。
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