『楠勝平作品集 彩雪に舞う……』(青林工藝舎)の感想
漫画作品集『楠勝平作品集 彩雪に舞う……』(青林工藝舎)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
こちらは、何となく心惹かれて購入したものですが、品薄なのか、高額でした。読了した今、買ってよかったと、思っております。
収録されている作品は、次のとおり。
名刀
おせん
参加
茎
臨時ニュース
大部屋
達磨さん達磨さん睨めっこしましょ 笑うと負けよアップップッ!
暮六ツ
ふじが咲いた
あらさのさぁー
やすべえ
蝶を見た!(原作:岩崎稔)
ゴセの流れ
しまい風呂
ぼろぼろぼろ
彩雪に舞う……
作者様は1944年生まれで、30歳の若さで病気にて亡くなりました。だからと言って、特別視してはいけないと思うのですが、絵、ストーリー展開、雰囲気など、かなり特異な作風です。
現代を舞台にした漫画は、「参加」「臨時ニュース」「大部屋」「達磨さん……」「しまい風呂」で、他は、恐らく江戸時代頃のお話ですね。
だから、時代劇漫画が大半なのですが、将軍、隠密、お家争い、奉行、同心等の、よくある時代劇エンターテイメント要素はありません。一応、侍(武士)は、登場することもありますが、主役は市井の職人や商人、働く女性達。
そういう、ありふれた人達の、日常的な出来事を巧みに、心にせまる様子で描かれています。
もう一つの特徴としては、現代物も時代物も、病気に苦しむ人々の表情、セリフが、実に生々しく、痛々しいです。
今まで読んだ漫画のうちで、病床描写がもっともインパクトのある描き方ですね。
あと、私の読み込みが浅いせいもありますが、謎めいた表現が、ちらほら見られます。
「あらさのさぁー」なんて、タイトルからして「?」ですから。
「臨時ニュース」のラストの、凄惨な事件を告げる臨時ニュースは、不運に見舞われながらも、平和な一家と、どのような関係があるのやら?
けれども、そういう描写も含めて、精一杯生きている人々の姿をとらえた、良質な作品だと、私は思います。
ちょっと、今回は時間がせまっているので、続きの感想は、後日に申し上げます。ごめんなさい。それでは。
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