『絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント』(笹間良彦 著画・遊子館)の感想
書籍『絵で見て納得! 時代劇のウソ・ホント』(笹間良彦 著画・遊子館)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
あらすじ(中味)紹介としても、タイトルで言い尽くされていますね。見開き2ページで、一項目ずつ、本当の江戸時代の様相について説明されています。何とっても、右ページが説明文、左ページが作者様のイラスト(プロのイラストレーター様に比べると、ぎこちない線ではありますが、充分にわかりやすいです)と、理解しやすく読みやすい内容です。
日本史オンチの私が、勉強用に購入したのですが、江戸時代資料としても、なかなか優れているのではないかと思います。
内容は、前半が武士の巻で、章タイトルとしては、次のとおり。
1 町奉行所と江戸の罪と罰
2 礼儀作法は武士の道
3 命運をわける戦場の作法
4 武家の常識・非常識
後半の庶民の巻では。
5 庶民の暮らし
6 庶民の遊びと旅
7 江戸のアウトロー
最後に、「江戸の考証学」がまとめられています。
8 江戸の結髪
9 江戸の服装
10 江戸の生活
もしかすると、時代劇ファンの方は、驚きを通り越して、ショックを受けるかも。
武士の巻では、戦場作法も説明されていて、刀を所持する武士は、歩く、乗馬するといった通常の行動にも、常に臨戦態勢であったことがわかりました。
庶民の巻で、女性は、なかなか旅に出られません。女性の旅は、近場に限られてしまうという説明で、じゃあ、あの漫遊記や道中記は、事実と異なっていたのかと、驚かされました。
江戸の考証学では、男女の髪型のバリエーションの多さに、またまた仰天。男性の月代でも、庶民と武士では異なっていました。
手拭いの頬被り、覆面、頭巾は、アウトローや隠密がするのでなく、日光や暑さ寒さ、ほこりから頭を守るため、庶民は頬被りを、裕福な人々と武士は覆面や頭巾を使っていたそうです。
狭いけれども、工夫された長屋の生活、風呂屋の楽しみなど、読めば読むほど、興味を惹かれ、これは無理! と思ったり、うらやましく感じたり。
気軽な読み物としても、いい内容だと思います。また、作者様の別の本を読みたくなりました。お勧めいたします。それでは。
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