『雑兵めし物語』1巻(重野なおき・竹書房)の感想
四コマ漫画『雑兵めし物語』1巻(重野なおき・竹書房)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
私は大昔の衣食住、取り分け、食について、くわしく説明された資料や漫画は、大好きです! 食い意地が張っておりますから。
なので、戦国時代の雑兵の、食事情を中心に、おもしろおかしく描かれたこの漫画は、まさに、打ってつけでした。
あらすじとしては、信濃の国で武田軍(メインは馬場信春)と対決する、小笠原軍と雑兵達。懸命に食料を調達しようとする、料理好きの主人公、作兵衛は、弟分の豆助と行動を共にするうちに、元武家の落ちぶれ姫、つると出会います。食い意地が張っていてドジなつるを、作兵衛は放っておけず、村の少女、小菊の力も借りて、一緒に住むことに。そうこうするうちにも、武田軍の侵攻は続き、豆助は負傷します。ところが、作兵衛は、回復した豆助とともに、武田の築城の手伝いをするなど、つるにとっては、理解できない行動をするのでした。
作兵衛は、つると同居していますが、色っぽい展開はゼロです。豆助と小菊も、意識はし合っているようですが、こちらも進展なし。なので、純粋に、戦国時代の雑兵の、食をメインにした、暮らしぶりを描いた漫画といえるでしょう。
ゆえに、いただけない点を先に申し上げますと、意外性はあまりなく、ストーリー展開も、この作者様には珍しく、平坦な方です。今までの戦国四コマのノリを期待していると、大いに肩透かしにあうでしょう。
それから、私的に不満だったのが、本文の用紙に、ハイバルキーを使っているのではないかと、いうことです。
ハイバルキーは、同人誌発行の際、一度使ってみて、大いに後悔した、安っぽい質感の紙です。
作者様や出版社のせいではないのですが、いやな思い出がよみがえってしまいましたよ。
しかしながら、作者様が後書きで、「食欲を無くしそうな飯物語」と、おっしゃっていましたが、私は、そんな風には感じませんでした。
料理としては、味噌を使うものが多いので、茶色っぽいかと予想しましたけれども、全員、うれしそう&おいしそうな表情でしたから、むしろ、飯テロではないかと、思います。
芋がら縄は無理でしょうが、あつめ汁、ニラ雑炊、雑穀飯は、栄養的にもよさげで、おいしそう。
真似して料理してみたいと、生唾ゴックンものでした。
2巻は来年でしょうか。気長にお待ちしております。お勧めいたしますね。それでは。
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