『現代漫画7 小島功集』(筑摩書房)の感想
漫画書籍『現代漫画7 小島功集』(筑摩書房)の感想を申します。些細ながらネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
奥付の発行年月日が、1969年8月20日第一刷だそうで、かなり古い本です。そのせいか、作者様の現住所まで載っていますが、今ではこれ、アウトでしょうに、昭和は大雑把だったのですね。
小島功とは、週刊誌に連載されていた『仙人部落』が有名ですが、要するに、以前に、黄桜の河童イラストと言えば、大半の方は思い出されるのではないでしょうか。
掲載されている作品は、次のとおり。
仙人部落
俺たちゃライバルだ!
あひるヶ丘77
2コマテレビ
日本のかあちゃん
うちのヨメはん
MY NAME ナツ子
手品師のハンカチ
7-8=1
赤ずきん
黒ねこどん
他に、カラー絵、一枚絵漫画など。
内容は、時事ネタとイラストを除けば、割と徹底して、男性目線からの魅力的な女性や奥さんとの関わりによって、ちょっとしたトラブルが起きたり、解決したり、というものが多いです。
「MY NAME ナツ子」は、女性向け雑誌に掲載されていたせいか、OLのヒロインが職場の男性達、出会った男性達と、いたずらしたり、からかったりという、唯一の逆パターンではありますが。
「俺たちゃライバルだ!」も、ライバル二人組の男性のお話だったのでしょうけれども、だんだん、女性の存在感が大きくなってきたような?
シンプルな線画とあいまって、驚くようなどんでん返し、スピーディーな展開はなく、どれもこれも(特に男性は)、「あるある」と共感し、クスリと笑ってしまう、平和でおもしろ楽しい内容です。
もし、作者様の欠点を挙げるとすれば、ナツ子も含めて、きれいなヒロインは、髪型や服装以外、全員、同じような顔をしていることでしょう。
ワンパっちゃあ、ワンパなのですが、ここまで徹底しているのは、逆にすごいと、私は思います。
切れ長というよりも、くっきりした瞳につやっぽい唇、普段着でもナイスバディ。
そんな女性が、あだっぽく笑ったり怒ったり、話しかけてきたら、男性としては、うれしいでしょうね。
その願望や理想を、作者様はダイレクトに描かれたなあと、私は思います。
そのような場合、私は不快感を覚えるのですが、この作者様の絵や作品には、不思議と感じませんでした。
何となく、女性から見た、理想の女性象も描いている故ではないかと、予想しましたね。
お勧めいたします。それでは。
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