『絢爛たるグランドセーヌ』14巻(Cuvie・秋田書店)の感想
コミック『絢爛たるグランドセーヌ』14巻(Cuvie・秋田書店)の感想を申します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
いろいろあって、13巻からとても間があいてしまいましたが、やはり、読んでよかったです!
14巻のあらすじは、YAGP NYC(ニューヨーク シティ)ファイナル結果発表がメイン、といきたいところですが、日本へ帰国後の奏の動向に注目です。
前者は、やはりというべきか、奏が入賞! これはまあ、予想どおりなのですが、彼女の演技のどこがどう優れていると判定されたのか、明確になっていないのが惜しいです。その部分まで描いていると、キリがないから、でしょうか?
ともあれ、奏はロイヤル、絵麻はジョン・クランコの年間スカラシップ、翔子もモナコの入学許可、皆、喜んで帰国します。そして、滝本先生から、スクールの発表会で『ナポリ』のパ・ドゥ・シスを、その一週間後のガラで、『パリの炎』のパ・ドゥ・ドゥを踊ってほしいとの依頼を知らされます。両方とも承知する奏でしたが、暁人と踊る『パリの炎』ではスタミナ不足、結貴と組む『ナポリ』は、リフトに苦労します。さらに、悪気はないのですが、前髪で隠れて表情がはっきりせず、本心を押し隠しているかのような結貴と奏は、ぎくしゃくしていましたが、奏は得意のコミュニケーションで、彼を元気づけ、翔子や水戸も含めて、皆がポジティブになり、『ナポリ』の舞台を盛り上げていこうと、盛り立てます。そうこうするうちに、同じガラで『海賊』のパ・ドゥ・ドゥに出演予定のさくらが帰国。観客席で、何と、絵麻と隣り合わせに。奏の舞台で、彼女達はそれぞれバレエに対する熱意を新たにするのでした。
見どころは、奏が苦手とするパ・ドゥ・ドゥに挑戦し、それなりの成果を上げるところでしょう。ジャンプ、リフトのコツなど、バレエをやっている方に参考になると思いますし、私のようなやらない者には、またまた高等テクニックを思い知らされてしまいました。
まさに、作中で絵麻が翔子に言っていた、次のセリフのとおり。
「…バレエってさぁーー 全っ然 楽勝じゃないところがいいよね」
他に、珠理亜やクラスメートに指摘されつつ、ズッコケられていましたが、奏はタイプの異なる二人のバレエ少年と密着練習をしていましたが、恋の予感はナシ! これって、いいのでしょうか、悪いのでしょうか。
さらに、この漫画のメインは少女達なのですが、暁人、水戸、結貴、三者三葉のバレエ上達のアプローチが、彼らの異なる個性のままに、おもしろいです。
あと、私がもっとも注目したのが、この漫画の悪役キャラっぽい立ち位置(本当はそうじゃないけど)のさくら、たびたび翔子をイラつかせる、マイペース(しかも、複雑なパをすぐできる天才)のトラブルメーカー、絵麻のやり取り。絵麻がさくらに引いているのは、意外でしたね。あくまで挑発するさくらは、ド辛辣でしたが、絵麻も最後の方で、はねのけてみせ、奏の熱意がうつったかのように、スクールで踊っています。あの練習嫌いというか、面倒くさがり屋だった彼女が、すごい進歩だと思いました。
奏と合わせるように、バレエを踊る全員が、心身ともに成長している過程を味わえました。読むのは遅いですが、私は15巻も楽しみにしています。お勧めいたします。それでは。
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